日本語ペラペラ外国人

昔、海外ドラマの『Xファイル』をテレビで見ていた時のこと。幼かった僕は、UFOよりもエイリアンよりも、日本語ペラペラのモルダー捜査官に興味がありました。「外国人がこれほど流暢に日本語を扱うなんてすごい」と思ったのです。「ひょっとして日本育ちなのでは?」とも思いましたが、次回予告の時はナレーションの後ろでネイティブな英語を喋っていたので、「世界の俳優はレベルが高い」といたく感心していました。

映画『トップガン』が放映された時も、日本語ペラペラのトム・クルーズに感動しました。ところが、挿入歌が入るダンス・シーンになると急に字幕が表示され始めました。歌手は日本語ではなく、英語で歌っていたのです。「メグ・ライアンも日本語ペラペラなのに、どうして歌の人は日本語で歌わないのだろう」といぶかしむと同時に、「きっと頑張りが足りなかったのだ」と自分を納得させていたのをよく覚えています。

これを読んでいる方はすでにお察しのこととは存じますが、当時の僕は海外ドラマや洋画の「吹き替え」を、役者(外国人)本人が喋っているものだと思い込んでいたのです。「ばかだなあ」と思うかもしれませんが、まだ年端もいかぬ小学生、自分の見聞きしたものがすべてでした。吹き替えの存在を周りは教えてくれませんでしたし(まさかそんなことになっていたとは思っていなかったのでしょう)、結局、自分で気が付くまでこの勘違いは続きました。



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地上波で『Xファイル』が放映されたのは1993年だそうで、もう30年も昔になるんですね。今の子は『Xファイル』の代わりに何を見ているのでしょうか。『プリズンブレイク』?

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