部屋とYシャツと私は磨くものなのだろうか

古いラブ・ソングです。おそらく新婚であろう妻が夫である男性に向けた歌詞で、「部屋」「Yシャツ」「(妻自身)」を磨いていたい、という願望を歌ったものです。つまり、実際に磨いているわけではありません。読み進めていくと「部屋とYシャツと私を磨くための服を所望します」という条件を突き付けていることがわかります。特殊な薬品でも使って磨くのでしょうか。

そもそも「磨く」は、綺麗にするだけでなく「こする」という行動を伴う動詞です。同じ綺麗にする行為でも「洗う」は水や泡を使って汚れをすすぐことですし、「清める」は邪気や怨念といった抽象的なものを祓うことです。「部屋を磨く」は、おそらく床のフローリングか何かを拭いているのでしょう。ただ、固い布やメラミンスポンジのような材質でこすってしまうと細かい傷ができてしまうため注意が必要です。特に台所や浴槽などの水回りではカビの原因にもなります。

それに、「Yシャツを磨く」はどう考えてもおかしいです。汚れをこすって落とすようなことをすれば生地が傷んでしまいます。せいぜい「アイロンをかける」くらいでしょう。それとも、革製のYシャツでも着ているのでしょうか。とてもじゃありませんが夏には着られませんし、冬でも冷たくて着られたものではありません。



★オススメ ライブ




また、「自分を磨く」という言葉があるように、「磨く」には上達や向上の意味があります。「私」はこの意味で「磨く」を使っている可能性が高いですが、「部屋」と「Yシャツ」と並列の関係になっているのは気になるところです。もしかしたら妻はサイボーグかもしれません。金属製のボディを夜な夜な磨いているわけです。くれぐれもメラミンスポンジは使わないでいただきたいものです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール