オレンジレンジの思い出

僕が高校生のころ、当時流行っていたオレンジレンジのCDを母が突然買ってきたことがあります。母はカーペンターズやヒーリング・ミュージックといった静かな音楽を好む方だったので、大変驚きました。母方の祖父母はすでに亡くなっていましたが、とうとう反抗期がきたか、と思ったほどです。

理由を訊ねると、「私は流行に乗ることにした」と訳の分からないことをおっしゃります。目が潰れそうなギラギラとした歌詞カードを手に、あわよくば歌えるようなってやろうと息巻き、じっくり聞き込んで、否、聴き込んでいらっしゃいました。隣で聞いていましたが、初めて聞くはずなのに知っている曲ばかりだなあ、と思っていました。

1週間後、母は「いっちょんすかんかったけん、ティモにあげるたい」と件のCDを渡してきました。「やっぱりすかんもんはすかんかったわ。がはは」と、今度は平井堅のCDを買っていました。しばらくしてから「平井堅のCDはくれへんの?」と訊ねたところ、「これはやらん」と威嚇されました。



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基本的に僕は母のことを頭の良い人だと認識していますが、このエピソードはアホまるだしでいたく気に入っています。ただ、不思議なことに、このエピソードを他人に話すと「ティモそっくり」「この親にしてこの子あり」という反応をされます。なぜ。

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