能ある鷹は爪をどこに隠すのか

能ある鷹は爪を隠す」という言葉があります。「能力がある人はそれを見せびらかせたりせず、凡人であるかのように振る舞う」という意味で、日本らしい奥ゆかしさを持った慣用句です。アメリカだったら「能ある鷹は週末もパーティだぜ!」くらい派手になるでしょう。いちおう、英語では「猫は爪を隠す (Cats hide their claws) 」がこれに相当するそうです。「美人には気をつけろ」と誤解してしまいそうなイディオムです。

生物の知識がほとんどない僕から見れば、鷹の最大の武器は飛行能力だと思うのですが、慣用句になっているくらいですから爪の方が武器になるのでしょう。「隠す」というくらいですから、収納できるはずです。バタフライ・ナイフみたいに足が広がって爪が飛び出すのか、はたまた、某アメコミのヒーローのように骨格が変化して爪が飛び出すのか。どんな爪か気になったので、わくわくしながら画像検索したら、アニメと唐辛子しか出てきませんでした。「英語ならイケるか」と「eagle + crow」と検索しましたが、どうもピンときません。数分後に「しまった、イーグルは鷲(わし)」と気づいて、慌てて「ホーク 爪」と検索したところ、牧場の飼い葉ロールに突き刺しそうな道具しかヒットしませんでした。



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試行錯誤の末にようやく見つけた鷹の爪は、なんてことない、剥き出しの普通の爪でした。つまり、鷹の体内に爪を隠すような機構があるのではなく、「普通なら爪を使うべきシチュエーションにおいて、爪を使わない(隠す)習性」が鷹にはある、と予想できます。奥ゆかしさを表しているどころか、「余裕を見せつけている」「天邪鬼」「舐めプ」と言う方が適当なのではないでしょうか。対義語になる慣用句は「獅子は兎を狩るにも全力を尽くす」でしょう。あ、だからライオンとタカは戦争していたのか……(参考『コウモリ』)。

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