カタカナ言っちゃ駄目ゲーム

主に小学校から中学校にかけて、誰もが避けて通ることのできない流行の遊びです。遊び方はいたって簡単で、「ある一定時間内、片仮名を含む語句を口にしてはいけない」というものです。遊びですから、普通は休み時間中に行なわれるのですが、僕の時は授業中にも行なわれていました。理科の実験の授業中にやると、なかなか緊張感があって面白くなります。「その、三角の透明な瓶ちょうだい」「って片仮名じゃね?」「いや、瓶は良いんじゃない?」「でも、ごみ箱には片仮名で書いてあるような」「ごみ箱のごみって片仮名じゃね?」といった具合になります。

効果的な戦法には「喋らない」が挙げられます。片仮名を言ったら負けなので、何も喋らなければ負けることはありません。しかし、こういった遊びの目的は互いの関係を深めたり、交流を持ったりすることにあるため、たとえ勝負に勝ったところで負けていると言えます。ある程度喋りつつ相手を負かすには、「相手がうっかり片仮名を答えそうな質問をする」といった技術が必要になります。前述の例で言えば、三角の透明な瓶を持って「ねえねえ、これなんて名前?」と安直に訊ねるのではなく、「これって元は英語じゃないんだよ。何語だと思う?」という風に、徐々に、遠回しに相手を油断させなければなりません。

この遊びを演奏家同士で練習している時にやったら、とんでもなく頭を使う羽目になるでしょう。「この曲の調は『変い短調』でやろう」「い短調の『』って片仮名じゃね?」「いろはの『い』なんだから大丈夫でしょ」とか、「2拍目裏の弱起から初めて、4小節目の属和音で空白」「空白?」「そこは普通に『きめ』でいいんじゃね?」といった具合になるでしょう。楽典の勉強になりそうです。



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というわけで今回の記事は、本文中に片仮名を使わずに書いてみました

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