「思考回路はショート寸前」とは、どういう意味か

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某美少女戦士アニメのオープニングテーマの一節。主語が一切出てこないので推測の域を出ませんが、前後の歌詞を見ると、「思考回路がショート寸前になりそうな人(以下、甲)」と「甲が至急面会したい人、あるいは、人たち(以下、乙)」の存在を察することができます。初めに甲は、乙に対し素直な気持ちを打ち明けていない、という現実を問題視しており、甲は乙に対して謝罪の気持ちがあります。しかし、「至急面会したい」という未来時制希望から察するに、甲は乙に対してまだ謝罪をしていない、ということがわかります。「誠に恐れながら、私はあなた様に対して正直になっておりません。睡眠中における幻であればこれは可能ですが、取り急ぎ、お目に掛かりとうございます」という内容であれば、多少違和感はあっても、一応筋は通ります(睡眠中における~のくだりは国語的に不要ですが、関連性がないわけではありません)。だが、これに「思考回路はショート寸前」という謎の一文が加わっていることで、この文章を難解なものに変えてしまっているのです。

順にひも解いていきましょう。まず「思考回路」とは、人間が「考える」という動作をした際に生じる定型的なパターンのことです。これは、生物的、本能的思考パターンではなく、人間的、理性的思考パターンに限定されます。たとえば、「朝起きたら周りが火の海」という状況で、「死にたくない」「逃げよう」と考えるのが生物的、本能的思考パターンであり、「逃げる前に何か持っていくべきか」「個人で消化可能な被害だろうか」と考えるのが人間的、理性的思考パターンだと言えます。さらに、思考回路には個人差があります。上記の例であれば、「お金がないとやっていけない」と財布を持って逃げる人、「逃げた後に消防へ連絡しなければならない」と携帯を持って逃げる人など、個々によって様々な思考回路があります。

つぎに、「ショート」とは、電気回路における異常発熱現象、または、それによる発煙、発火などの二次災害を指します。なぜ異常発熱するのかというと、誤った接続をしたことで電気回路のキャパシティを上回る電流が流れるためです。

以上のデータから、「思考回路はショート寸前」という言葉の意味を考察してみましょう。思考する際、人間の脳はシナプスを通じて電気信号の伝達行為をしますが、前述の通り、思考回路とはパターンであって、脳内の活動について言及したものではありません。よってこの文章は、思考回路を電気回路に見立てた暗喩(メタファー)であることがわかります。では、電気回路がショート寸前とは、どういう状況でしょうか。以下のケースが想定されます。

a. 誤った接続がなされているが、まだ電流が流れていない(電源が入っていない)
b. 誤った接続がなされた上で電流も流れているが、ショートに至っていない

ケースaを思考回路に置き換えてみましょう。甲の思考回路は電流が流れていない状態、すなわち、何も考えていない状態です。しかし甲は、自分が素直でないことを問題視していたり、謝罪をしたいと思っていたり、至急面会したいと願っていたり、思考回路が働いているのがわかります。よって、ケースaはありえません。

では、ケースbはどうでしょう。誤った接続で電流を流しても、電気回路は即座にショートするわけではなく、1秒ほどタイムラグがあります。これを思考回路に置き換えると、「あと1秒ほどで思考パターンが異常発熱する」ということになりますが、そもそも思考パターンには実体がないため発熱しません。つまり、「ショート」という言葉は、発熱という現象ではなく、異常という状態を暗喩したものであることがわかります。すなわち、「思考回路はショート寸前」とは、「あと1秒ほどで思考パターンが異常をきたす」という状況分析の暗喩だったのです。

まとめに入りましょう。

1. 誠に恐れながら、私はあなた様に対して正直になっておりません。
2. 睡眠中における幻であればこれは可能です。
3. あと一秒ほどで思考パターンが異常をきたします。
4. 取り急ぎ、お目に掛かりとうございます。

やはり2の部分は国語的に不要ですが、1で冷静だった甲は、3で異常をきたし、4の言動に至った、と言えます。このことから学べるのは、「至急、面会したい」という思考回路は異常であり、そのような突発的な言動は控えるべき、というわけです。ショートなだけに、短絡的な思考回路は慎みましょう(どっかーん)。


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