
たまに英語を使うと、「ティモ、英語喋れるじゃん」と、勘違いされる方がいらっしゃいます。また、英語圏の国へ2年間留学していたことを話すと、「じゃあ英語ペラペラですね」と、誤解する方も多くいます。改めて言っておきますと、僕は、英語が喋れません。この場合の「喋れない」とは、「英語を使ったコミュニケーションができない」という意味です。しかし、英語が喋れなくとも、それなりの解決法があります。それが「英語に慣れる」です。
たとえば、以下のような「相手の言葉が100パーセントわからない」という状況があったとしましょう。
「$#★〒&$ ●★〒☆&& $#★ 〒☆?」
単語が1つも聞き取れない文章にも、ヒントがあります。記号に埋もれてわかりづらいですが、語尾に「?マーク」がついており、会話中では「語尾を上げる」という表現になります。つまり、語尾が上がる言葉を投げかけられたということは、「相手があなたに対して何かを訊ねている」と察せます。問題は、「何を訊ねているのか」です。言葉がわからない以上、当てずっぽうに頼るしかありません。
その当てずっぽうを、より正確にするために必要なのが、「シチュエーションを読むこと」です。もし、この会話がレストラン内で、まだオーダーしていない状態で行なわれた場合、十中八九「メニューに関すること」であると察しがつきます。メニューに関する疑問文でポピュラーなものは、「オーダーは決まったか」「好きな食べ物は何か」が挙げられます。席についてしばらく経ってからなら前者、すぐなら後者の可能性が高いでしょう。前者の場合、何を頼むか決まっているなら、メニューを指差して「ディス」、決まっていないなら「ノー」と答えます。後者の場合、「I like~」と説明する必要はありません。「ジャパニーズ・フード(日本食)」「フィッシュ(魚)」といった、単語1つで十分です。その後、改めて疑問文を突きつけられた場合は、「どんな日本食が好き?」「どういった魚料理が好き?」と予想できます。
「疑問文ではないけれど、何か言っている」という相手には、「イェ」「アハン?」とだけ繰り返しましょう。感情的で、大げさな表現をしている場合は、「ワオ」も効果的です。くれぐれも、「もう1回言って」(「プリーズ、セイダゲン」「ワンモアタイム、プリーズ」)と頼まないようにしましょう。
わかる単語がゼロの状態でここまで読めるのですから、単語が1つわかるだけで、当てずっぽうの精度は飛躍的に上がります。わかる単語を1つ見つけ、それを膨らませることに挑戦するのもいいでしょう。アイルランドのパブで、「〒〒&$ ●★☆ ギネス?」と訊かれたら、「ギネスは好きか」「ギネスを知っているか」と想像できます。どちらの質問も、イエスかノーで答えられます。失敗したと思ったら、もう一度考え直します。そもそも、当てずっぽうですから、当たればラッキー程度に思っておきましょう。
「空気を読む」という日本語がありますが、「シチュエーションを読む」は、抽象的なものではありません。重要なのは、可能な限り、具体的に状況分析することです。誰が、いつ、どこで、その台詞を言っているか。自分は今、どういった環境に置かれているのか。また、相手がどうしてその台詞を言っているのか、思考をトレースすることも必要でしょう。「慣れる」というのは感覚的なものではなく、理性的な行動の上に成り立っています。

