座右の銘

国語辞書いわく、「常に自分の心にとめておいて、戒めや励ましとする格言」のこと。英語だと「ポリシー」でしょうか。右があるなら左もあるのでは、と調べてみたところ、「座左の銘(ざさいのめい)」という言葉が見つかりました。意味は同じで、右利きの人は座右の銘、左利きの人は座左の銘になるそうです。つまり、両利きの人はそれぞれ1つずつ持てる、ということです。右に「天上天下」、左に「唯我独尊」だったら、なかなかブッダです。右に「石橋を叩いて渡る」、左に「案ずるより生むが易し」だったら、なかなか二重人格です。

上の例のように、「四字熟語」ないし「ことわざ」を座右の銘にしている人は多いです。僕の母は「沈黙は金」が座右の銘だとおっしゃっていました。貴金属に興味がない人だったので、「沈黙に価値はない」という意味なのでしょう。今は「沈黙はプラチナ」くらいパワー・アップしているかもしれません。寡黙な人で、幼い僕に対して「余計なことをとやかく喋るな」と戒めてらっしゃいましたが、あれは僕の天邪鬼をあえて狙った教育なのかもしれません。ところで、沈黙は金って四字熟語? ことわざ?

他にも、「著名人の名言」を座右の銘にしている人もいます。よく見るのが高杉晋作の「おもしろき こともなき世を おもしろく」ですが、たしかこれは彼の辞世の句だったと記憶しています。暗に「死にたい」と仄めかしているのでしょうか。また、「一日一善」くらいの具体性は認められますが、「毎日早起き」とか「最初はシャンプー」くらい具体的になると、座右の銘ではなく目標、習慣として扱われるようです



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ここまで書いておいてなんですが、世間一般には座右の銘がない人の方が多いと思います。座右の銘とは言ってみれば固定観念の一種であり、それに縛られてしまうのはハンディキャップになります。持たないに越したことはないですが、会社の面接で「あなたの座右の銘は何ですか」と訊かれるケースがあるそうなので、営業用に1つくらい用意しておいてもいいかもしれません。

僕の座右の銘は、「人の嫌がることを進んでやる」です。

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