『スーパーマリオブラザーズ』に学ぶ、ドラム・レッスンの段取り

ゲーム会社、任天堂のヒット作品である「マリオシリーズ」の中で、社会現象まで引き起こした『スーパーマリオブラザーズ』というゲームソフトがあります。80年代後期から90年代を「ゲームの年」にした最大の功労者であり、TVゲームをはじめとする「ゲーム文化」を日本のみならず世界中に根付かせ、後世まで影響を与えた偉大な作品です。多くの人がプレイしたゲームであり、ほとんどの人が存在を知っているでしょう。

このゲームがどうしてここまでヒットしたのか。その理由について、興味深い考察をしている方がいらっしゃいました(参考『【スーパーマリオ】伝説のコースの仕組み』※外部リンク)。詳細は割愛しますが、ポイントは以下の2点です。

○『右へ進んでゴールする』という目標の提示がハッキリしている
○ステージを進むごとに難易度がグラデーション状に上がっていく

この「目標の掲示」と「グラデーション状の難易度」というのは、ドラム・レッスンにも通じることです。まず、初めてドラム・セットに座った人は、とりあえずスティックで叩いてみますし、ペダルも踏んでみます。講師が何も言わなくても、音は出せるのでしょう。ドラム演奏を見たことがある人なら、見様見真似でリズム・パターンを演奏しようとするかもしれません。しかし、本当に初めての人は、どうしたら良いかわからなくなります。どんなに簡単でも短くても良いので、走るべきコース(過程)とゴール(目標)を講師は示さなければなりません。



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ドラム・レッスンを受ける多くの人が求めているのは、「どうすればこのコースをクリアできるのか」という走り方(方法)です。これが1−1や1−2のように、比較的走りやすいコースであれば自己流でなんとかなるかもしれませんが、4−3や8−4のようなコースをいきなり挑戦しても残機(モチベーション)がなくなってしまうでしょう。ゲームオーバーが続けば、プレイヤー(ドラマー)はゲーム(ドラム)に対して「理不尽だという不満を抱えてしまいます。

4−3をクリアするために、講師は足場の広い1−3や3−3という目標を提示する必要があるでしょう。小さくても1つ1つ達成感を覚えることは、生徒様の実力の向上にも繋がります。かといって、簡単なコースばかり繰り返しても「退屈だ」という不満に繋がります。グラデーション状の難易度を経験することで生徒様が勝手に上手くなる、これが「走り方のレッスン」です。ゲームを繰り返し遊ぶ子どもがどんどん上手くなるように、ドラムも繰り返し叩くことで上達します。

『スーパーマリオブラザーズ』はすでに完成した作品ですが、講師のレッスンは不定でフレキシブルなものです。ゆえに、生徒様に合ったグラデーションをその都度作ることができます。さながら、「スーパードラムメーカー」と言ったところでしょうか。

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