音楽にもたらす、音楽外の影響

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ミュージシャンで、「自分は音楽外のものから影響を受けて作品を作っている」という風なことを言っている人がいた。音楽から影響を受けて音楽を作るのは「オマージュ」や「パロディ」と呼ばれるので、当たり前といえば当たり前のことであるが、簡単ではない。

たとえば、オリンピックの興奮と感動を歌にするにはどうすれば良いだろう。興奮も感動もポジティブだ。メジャー調のバラードにして、マイナー調のコードを借用し、クリシェを多用すればよくあるJポップの曲になるかもしれない。「涙」とか「汗」とか、「努力」とか「勝利」なんて言葉を使えばスポーツっぽい歌詞は書けるだろう。たしかに影響は受けている。しかし、いささか幼稚な発想であることは否めない。

また、楽器演奏になると途端にハードルが上がる。「サッカーみたいなドラムソロ」とか「飛車を中に振ったようなフィル・イン」とか、言葉にしてもピンとこないのに、それを演奏で表現するのだから大変だ。


櫻井は芸術的センスがないのか、音楽外の影響を受けることが少ない。ブログを書いたり、本を読んだりしているので、もう少し言語的なアプローチができてもおかしくないはずだけれど、実現に至っていない。強いて言えば、以前勤めていたコンビニエンス・ストアの名前をとって「7even 11even」という曲を書いたり、「会いたくて会いたくて震える」という言葉でフィル・インを叩いたりしたくらいである(参考『会いたくて会いたくて震えてみた』)。書く量も読む量も足りない、ということだろうか。

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