歴史に残る名曲とは

2022年の年末に、多くの音楽番組が「名曲特集」というのをしていました。特に2022年は昭和歌謡が流行ったらしく、「昭和の名曲特集」というのが多かったように思えます。では、一体何を基準に「名曲」と銘打っているのでしょう

○キャッチーなメロディ

「名曲」と聞いてまず連想するのはこの要素でしょう。耳に残る、つまり、記憶に留まることがなければ人は忘れていきます。一部の人だけでなく、多数に印象づける広告的な役割を持っているわけです。

一般的に「キャッチャーなメロディ=名曲」と思われがちですが、いくら広告が良くても中身が伴わなければ商品は評価されません。では、肝心の「中身」とは何でしょう。以下に続きます。

○パイオニア的要素

端的に言えば「未だかつてないアイディアを一般化した曲」です。「未だかつてない」という言い方をすると無から有を生み出すような途方なさを感じますが、既存の技術を発展させる術もパイオニア(開拓者)的要素と言えるでしょう。いわゆる「枯れた技術の水平思考」です。

また、「一般化した」というのも重要な点で、パイオニア的要素だけで名曲になることは、よっぽどなことがない限りありません。先駆者とは、発起人であると同時にインフルエンサーでなければならないわけです。

○時代の描写

わかりやすいところでは「歌詞」です。「ポケベル」「ブラウン管」「着メロ」「LINE」といったタームや、「電話したら親が出て」「並んだ黒と赤のランドセル」「マッチングアプリで出会った彼女」といった表現など、その時代ならではの描写は、図書館の歴史書コーナーのような価値をもたらします。



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あとは「サウンド」も時代を描写する重要な要素です。バブル景気のころは派手な電子音が好んで使われ、バブルが弾けた不景気のころはいわゆる「癒し系」のサウンドが流行しました。ここ数年はDTMを使った自主制作の音楽が主で、バブルのころとはまた違う、無機質な電子音が流行っているように思えます。これらも時代を描写した要素と言えましょう。

〇アーティストが著名人

タレント、お笑い芸人、俳優、政治家など、ミュージシャンでない著名人が楽曲をリリースした際、凡庸な曲であっても名曲扱いされる場合があります。普段、音楽と関わりのない人が楽曲を出す物珍しさに価値を置いているわけです。

ある意味では前述した「パイオニア的要素」の一種と言えますし、お笑い芸人のいわゆる「一発ギャグ」を楽曲化したものであれば「時代の描写」の一種と言えるでしょう。あらゆる要素を包含しているので、手っ取り早く名曲になりやすいわけです。

というわけで、名曲を生みたいミュージシャンは政治家に立候補しましょう。現職の総理大臣が自作で楽曲をリリースした歴史は(おそらく)ないので、誰でも簡単に名曲を作れます。もしかすると国家公務員法に引っかかる恐れがありますが、その場合は法律を改変しましょう。

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