どんな曲をコピーすべきか

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曲をコピーする上で、2番目に肝心なポイントである。基本的に自分の好きな曲、演奏してみたい曲を選べばいいのだけれど、「どれくらいの難易度(難しさ)の曲を選ぶか」は判断に困るところだ。櫻井は「100点満点のクオリティでコピーできる曲」を目安にしている。採点者は自分自身なので具体的な採点基準はないが、「自分が観客だったとして、この演奏は許せるかどうか」くらいの客観性は必要である。手っ取り早いのは「自分の演奏を録音して聞き返すこと」だけれど、演奏しながらリアル・タイムに客観視することも大切だ。

採点は減算で行なわれ、100点満点というのは「原曲そのまま」という意味である。これは相当に高い基準で、フレーズ、音色、タイミングなど、すべてが原曲通り再現しなければ満点を取ることはできない。10年以上ドラムをやっているけれど、100点満点のコピーができた曲(いわゆる『完コピ』)は1曲もない。そのため、「ちょっと頑張ればできるかも」というレベルより、「こんなの楽勝だぜ」と思えるくらいの楽曲を選ぶのがベターである。ひとつ言っておくと、この世に楽勝な曲など存在しない。たといそれがジョン・ケージの『4分33秒』だったとしても、難しさは必ずある。それに気がつけるかどうかが、上手くなるかどうかの分かれ道になる。

しかし、ここで問題になってくるのは「楽器を始めたころは、『100点満点はおろか50点でも危うい曲』しかコピーできない」ということである。もう全然ちっとも全く演奏できないわけであるからして、ひとつも面白くない、と感じてしまう。上手くなることと面白いかどうかは無関係だけれど、一般的に、面白くないものは長続きしない。その場合は「1曲すべてをコピーするのではなく、演奏可能な1フレーズのみを忠実にコピーする」という風に目標を下方修正するのも一手だろう。

とにかく、「100点未満の演奏で満足しないこと」「楽曲は自分が思っている以上に難しいものであると自覚すること」「短くてもよいので『演奏できる』を積み上げていくこと」が重要である。はたから見れば簡単な曲ばかりコピーしていて、「そんな簡単な曲しかできないの?」とからかわれるかもしれないが、半端な演奏している連中に比べ、最後に笑う可能性は極めて高い。

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