超能力

読んで字のごとく、ただの能力ではなく、能力です。一応「科学的に解明できない特殊能力」という定義があり、一時期流行っていた「スプーン曲げ」などがこれに含まれるそうです。当時は給食の時間にスプーン曲げし始める小学生であふれかえっていましたが、たぶん、今の小学生は「たかがスプーンを曲げる程度、どこが超能力なの?」と、クールな感想を言う気がします。

スプーン曲げは、超能力の中でも「念力」というジャンルに分類されるようです。念力とは、意志の力だけで物体を移動させたり、変化させたりする力らしく、手を触れずにイスを数メートル移動させたり、机の上のペットボトルを潰したりするらしいです。ただ、意志だけを使用するため、精神統一をしなければ念力は使えず、さらに、ジャンボジェットやタンカーなど、大きな物体には効果がないそうです。よって、手を使った方が速いですし、機械よりローテクなのです。他にも、透視、瞬間移動、未来予知などが超能力に含まれるそうですが、いずれも機械を使った方が確実に成功します。「非科学的能力」の方が適切な名称ではないでしょうか。

超能力といえば、僕の後輩に1人、超能力者がいます。その人の能力は「テレパシー」のようなもので、僕が何を考えているのか、ぴたりと当ててくるのです。長い付き合いならいざ知らず、たかだか高校2年間に何度も心を見抜かれているので、僕は陰ながらその人のことを「エスパー」と呼んでいます。他人の中では、親よりも僕のことを理解している人でしょう。



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うさん臭い超能力者っぽく書きましたが、実際は非科学的でも何でもなくて、いわゆる「空気を読むプロフェッショナル」なのでしょう。よく気が付くというか、気を揉むというか、気を使うタイプなのです。とても優しい人ですが、もう少し自分自身に対して気を回して欲しい、と少し心配になることがあります。もっと良く知りたい、と僕を積極的にさせる友人の1人ですが、その人は送信側のテレパシーを持っていないので、何を考えているのかさっぱりわかりません。それでも、何とかならないものかと、目を細めて透視を試みています。

今のところ、科学を超える超能力はないと思いますが、あるとすれば、きっとこういうものなのではないでしょうか。

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