続・電子ドラム

前回のブログ(参考『電子ドラム』)では電子ドラムについて少し否定的だったので、今回は電子ドラムの今後の展望について考察します。まず、現時点で電子ドラムは以下のように用いられています。

自宅練習
○DTMなどの音源制作
狭いスペースや簡易ライブでの演奏
○生ドラムとのハイブリット・キット

自宅練習については前回触れているので割愛します。音源制作は、通常は打ち込みを使うことが多いのですが、「アナログの手法でデジタル音源を作る」という電子ドラムの特徴を活かせば、より直感的にドラム・パターンを創作できます。また、生ドラムと違ってセッティングや音量コントロールが容易であるため、狭いスペースや短時間のちょっとしたライブで活躍できます。そして、生ドラムと同じ演奏方法であることから、生ドラムのセットの一部に電子ドラムを組み込んでエフェクトとして用いることもできます。この場合に求められるのは、「生ドラムに追随したリアルさ」よりも「電子楽器ならではの飛び道具的サウンド」になります。

今後、電子ドラムが生ドラムにとって代わるような需要を獲得するには、どうすれば良いでしょうか。時代の流れも重要ですが、やはり現時点の楽器構造自体に無理があるのではないでしょうか。今までにない、革新的なアイディアを実現する必要があります。いくつか例を挙げてみました。

○持ち運びやすいポータブル性

もともと生ドラムよりもコンパクトな電子ドラムとはいえ、持ち運ぶには車が必要な機種がほとんどです。より軽く、より小さく、加えて高性能な電子ドラムが開発されれば、「1ドラマーにつき1台」という時代が来るかもしれません。



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○ヘッド、シェルの振動を電気信号に変える構造

前回も触れましたが、電子ドラムの構造はキーボードとほぼ同じです。生ドラム特有のヘッド、シェルの鳴りを電子信号に変え、増幅させる構造にする、つまり、エレキギターなどと同じ仕組みにするのです。モジュールで音源を作るのではなく、電子パッド中心の音作りができるようになれば、よりリアルに、かつこれまでにないサウンドを獲得できるのではないでしょうか。成功すれば、「ドラム用エフェクター」や「ドラム用アンプ」といったビジネスにも発展できます。

○非振動かつ超静音の鳴り

上記の「ヘッド、シェルの振動を電気信号に変える」には「生音が大きい」という難点をクリアしなければなりません。エレキギターの「弦を弾く」に対し、ドラムの「太鼓を叩く」という動作は、それだけで近所迷惑になりえます。しかし、楽器がある程度響かなければ、電気信号に変えた際、劣化が目立ちます。この辺りのバランスが最大の課題になるでしょう。

一介のドラマーがここまで考えられるのですから、専門家はさらに上のアイディアを実現しようとしていることでしょう。

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