注文の多い料理店はメニューが豊富なわけではない

『注文の多い料理店』という著名な作品がありますが、僕は読んだことがありません。宮沢賢治の作品で、山猫軒だったか山猫亭だったか、そんな感じの名前のレストラン（料理店？）が出てくることは知っているのですが、つい最近、友人に教えられるまであらすじを知りませんでした。

タイトルだけを見て、子どものころから「注文の多いってことはメニューが豊富で儲かっている店なのだな」と思っていました。「違うよ」と言われた時も、「じゃあ、ワンオペで苦労しているレストランを題材にした経済学の本か」と思ったくらいで、「経営者側が顧客に注文する」という発想は、まるでありませんでした。

『山椒魚』も読んだことがありません。井伏鱒二の作品であることは知ってますが、この作品はいまだにあらすじも知りません。池波正太郎のような、料理を扱った作品なのかな、と想像しています。『星の王子さま』も名著として知られていますが、宇宙飛行士だったか宇宙人だったかのロケットが墜落し、バオバブの木が出てくる以外、物語についてよくわかっていません。青髪とピンク髪の双子の甘いカレーを連想してしまいます。

世間一般には『君の膵臓を食べたい』がこれにあたるのではないでしょうか。ゲームの『ゼルダの伝説』や漫画の『北斗の拳』も、「ゼルダ」「北斗」が主人公の名前だと思っている方がいらっしゃるでしょう。どうも、「の」という所有格が入ると混乱を招きやすいような気がします。

ティモ・ドラム・レッスン（Timo Drum Lesson）が「ティモズ・ドラム・レッスン（Timo’s Drum Lesson）」でないのは、所有格をつけることで引き起こされる混乱を避けるため、というわけでは全然ありません。開業届を提出する際に書き忘れたのが理由です。