付き合っていることを周囲知られてはいけないの?

前回『恋愛漫画の移り変わり』で、「最近の恋愛漫画は両想いストーリーが流行っている」という話をしました。早々に告白を済ませて仲良くイチャラブするのが鉄板ですが、中には「付き合っていることを周りに知られてはならない」というシチュエーションを課している作品があります。気持ちの問題であったり政治や生命の危機に関わっていたり、理由は様々ですが、関係を知られると2人が不利益を被るため、隠れて恋愛を楽しむわけです。

付き合っているくらいですから2人は仲良しですが、第三者の前ではそれを悟られないようにしなければなりません。相手に興味のないふりをしたり、あえて敵対したりして、距離を取ります。その後、「演技とはいえ傷ついた」と仲違いしたり、2人の関係を知らない第三者からのアプローチ(告白など)があったりして狼狽するのが定石となっています。

これらはフィクションの話ですが、現実世界においても、周囲に知られぬよう隠れて関係をもつのは非常に困難です。どこかでほころびが生じますし、トラブルに巻き込まれます。公言した方がずっと楽ですし、自分やパートナーが傷つく恐れも減ります。

キリスト教の聖書の中に、アブラハムという人物がいます。彼は「うちの妻サラはあまりに美しいから、誰かに奪われるんちゃうか」と不安になり、「せや! 妻やなくて妹ってことにしよう!」と周囲を欺き始めます(創世記12:11-13)。その後、事情を知らないエジプト人(第三者)が「めっちゃマブい」とサラに迫りますが、神様に「なに人の女に手出しとんねーん!」と突っ込まれます。エジプト人がびっくりして「なんや妹やなくて妻かいな! やってられんわ!」という、人類初のラブコメが展開されます(創世記12:14-19)。このエピソードからも、初めから正直に言っておくに越したことはない、とわかります。



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クリスチャンとキリストの関係も、アブラハムとサラの夫婦関係と同じくらい強い結びつきがあるのですが、「自分はクリスチャンです」と言っている人、つまり、「自分はキリストと関わりがあります」と公言している人は決して多くありません。理由は何にせよ、「自分がクリスチャンであることを他人に知られたくない」と考えている人がほとんどではないでしょうか。それはつまり、冒頭に書いた「周囲にバレないよう、ひた隠しにして関係を持つカップル」と同じことをしているわけです。

もちろん、世界にはキリスト教を弾圧している国もあるので、環境によっては公言できない(命の危険がある)かもしれません。しかし、少なくとも日本では「クリスチャンです」と公言しても身を滅ぼすことはないでしょう。多少、周囲の目は変わるかもしれませんが、愛する相手との関係の方が大切なのでは? と思う今日この頃です。

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