メタル

正式名称は「ヘヴィ・メタル」で、ロック、ハード・ロックを源流とする、音楽ジャンルの一種です。メタルは、日本語で「金属」と言います。すごく理系っぽい響きですが、実際は、かなり体育会系です。

主な要素として、「速い(音数)」「でかい(音量)」「重い(音色)」の3つが挙げられます。かつては中高生に人気のジャンルで、僕が高校生のころ、周りにはメタラー(メタル好きの人)が多くいました。個人的に、聞く分にはそこまで嫌いではなかったのですが、ドラムの演奏となると、音量がうるさく、疲れるため、手を出しかねていたジャンルでした。しかし、人気のジャンルなので、「講師業を始める前に勉強せねば」と、ここ数年、地道に開拓しています。

「なぜメタルは、大音量で演奏するのか」が疑問だったのですが、こないだ、メタル畑のギタリストと会話した際、少し謎が解けました。彼いわく、メタルは、「いかに、音だけで観客を殺せるかを追及する音楽」だそうです。たぶん、彼らにとって楽器は、重火器や兵器と同じ扱いなのでしょう。かつて、戦士の士気を上げ、奮い立たせるために音楽が用いられたことがあります。メタルは、その延長なのかもしれません。



★オススメ ライブ




メタルの要素である、「速い」「でかい」「重い」を、聞いている人に感じさせるためには、その逆を上手に聞かせる必要があります。つまり、「遅い」「小さい」「軽い」です。たとえば、新幹線は、時速300キロ近いスピードで走行しますが、ずっと乗っていると、速さを感じなくなります。いっぽう、ジェットコースターは、せいぜいその半分ほどのスピードしか出ませんが、観客を十分に魅了します。これは、ジェットコースターには、遅いスピードの時(坂を上る時など)があるからで、この緩急が、速いスピードをより速く感じさせるためです。「ジェットコースターは、野外だから速く感じるんだ」という人は、地球を例に考えてみましょう。地球は今も、時速約1,700キロで自転し続けています。

時代が進むにつれ、より速く、より大きく、より重く演奏できるプレイヤーが、どんどん増えています。しかし、いくら技術的に優れているとしても、勝敗を分けるのはアレンジ、いわば、「戦略」です。ジャズでもポップスでも、また、音楽の分野に限らず、何においても、頭を使って考えられる人材が、1人は必要です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール