ドラム演奏に適した服装

ドラムの演奏は運動であり、運動にはそれぞれ適した服装があります。剣道着を着て泳いだら溺れますし、サッカーで1人だけ違う色のユニフォームを着たら混乱します。ウェディング・ドレスを着てマラソンをしたら、ドラマの撮影と勘違いされるでしょう。これらの例に基づくと、「合理的に身体を動かせる服装」「統一感のある服装」「誤解を招かない服装」こそドラム演奏に適した服装であることがわかります。順に考察していきましょう。

○合理的に身体を動かせる服装

基本はスポーツと同じで、薄手で軽く動きやすいもの通気性が良く汗を吸っても蒸れにくいものが望ましいでしょう。また、身体の動きを制限しないよう、少しゆったりしたサイズを選ぶようにしましょう。ただ、袖や裾が長いと、両手両足の動きがさえぎられたり、スティックやビーターに引っかかったりする可能性があるので注意しましょう。

指輪やブレスレットはできるだけ身につけない方が良いでしょうし、つけるとしても装飾がシンプルなものが好ましいでしょう。視界を阻むような帽子やサングラスはアイ・コンタクトの邪魔になるので、避けるべきかもしれません。ネックレスは長すぎるとスティックに引っかかったり、かがんだ時にスネアに引っかかったりするので注意しましょう。については、以前書いたことがあるので参考までにどうぞ(参考『靴とドラムの関係』)。

○統一感のある服装

通常、ステージ衣装とは演者を目立たせる効果を狙ったものですが、目立つにも良いものと悪いものがあります。統一感のない衣装は、間違いなく後者に属します。たとえば、他のメンバーは全員スーツ姿なのに、ドラマー1人だけTシャツ姿では、聴衆のフォーカスはドラマーの服装に向かってしまいます。そうなると、たとえ良いパフォーマンスができたとしても「あのドラマーの格好、なんだったんだろうね」という印象で終わってしまいます。



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他にメンバーがいないソロ演奏でも、場所との兼ね合いを考えるべきでしょう。結婚式場で白い服を着たり、小学校で露出の多い服を着たりするなど、モラルの欠いた行ないは慎まなければなりません。足を開いて演奏するので、スカートを履く際には注意が必要です。

○誤解を招かない服装

服装によって、こちらが意図しない効果を生むことがあります。男性が濃いメイクをしていればビジュアル系のアーティストだと思われるでしょうし、女性がモヒカンで眉を全部剃っていればパンク系のアーティストだと思われるでしょう。ウェーブがかった金髪のロングヘアに骸骨がプリントされたTシャツを着て「雅楽をやっています」と言ってもにわかに信じがたいですし、実際に雅楽を演奏している姿を見ても違和感を覚えるでしょう。

ただ、このギャップを広告には利用できるかもしれません。「青い目をした侍」みたいに、異質のもの同士を組み合わせることでインパクトを与えるわけです。これは意図した行為なので、誤解ではありません。しかし、度が過ぎると前項の「統一感のある服装」に引っかかるので、加減は必要です。

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