ジャズの歴史を変えた5人の作曲家

大学で作曲のクラスを受けていた時、「ジャズの歴史は管楽器奏者とピアニストによって作られている」と評して5人の作曲家が挙げられていました。著名で素晴らしいジャズ作曲家は数多くいますが、歴史的偉業を成したアーティストとなると、たしかにこの5人になると思います。古い順に辿っていきましょう。

1人目 デューク・エリントン

19世紀に生まれたピアニストで、スウィング(ビッグバンド)・ジャズを代表する作曲家です。初めてジャズを商業的に成功させ、ジャズを世界に知らしめた人と言えるでしょう。わかりやすく言うと、精神分析学におけるフロイトのような存在です。後年への影響も大きく、彼の残した曲と功績がなければジャズという音楽はここまで台頭しなかったでしょう。

2人目 チャーリー・パーカー

ジャズをジャズたらしめる「アドリブ(即興演奏)」を一般化させたサキソフォニストで、現代まで続くジャズの曲構成や音楽理論、アドリブの体系を確立させた作曲家です。「ジャズとはこういう音楽である」という基盤を作り、今の「当たり前」を作った人です。わかりやすく言うと、天文学におけるコペルニクスあるいはガリレオのような存在です。彼がいなければジャズの発展は数十年遅れていたことでしょう。

3人目 マイルス・デイビス

言わずと知れたジャズの帝王です。クール、モード、フュージョンなど、幾度もジャズの歴史を塗り替えたトランぺッターです。ジャズ黄金期の屋台骨であり、ジャズの多様性と可能性を具現化した作曲家です。たとえるまでもないほどの有名人ですが、強いて挙げるならジャズ界のエジソンのような存在です。過激な発言も多く、ジャズマンの性格が悪いのはだいたいこの人のせいです。



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4人目 ジョン・コルトレーン

前述の3名はジャズ界に風穴を開けたいわば「パイオニア」ですが、コルトレーンはその道を究め、到達し、完成させたサキソフォニストです。つまり、パーカーらが築いた「モダン・ジャズ」において、コルトレーンを超えることはできません。わかりやすく言うと、物理学におけるアインシュタインのような存在です。晩年はフリー・ジャズに傾倒しており、もう少し長生きしていればフリー音楽の先を見せてくれたかもしれません。

5人目 チック・コリア

マイルスの後を継いでフュージョンを成功させ、同時に、モダン・ジャズにとどめを刺したピアニストです。ジャズの定型をことごとくくつがえし、壊すことでジャズを進化させた作曲家です。わかりやすく言うと、宗教家にとってのダーウィンのような存在です。彼の作品と共に、ジャズは歴史になりました。

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