はじめての邦楽

前回のブログ(『はじめての洋楽』)でも少し触れましたが、日本に住んでいると邦楽に触れる機会が多くなります。「洋楽は好きだけど邦楽が苦手」という人は滅多にいません。「音楽全般が苦手な人」よりもレアではないでしょうか。「邦楽しか聞いたことがない」という人がいても珍しくないでしょう。音楽教室でレッスンをする際、生徒様に何の曲を演奏したいかリクエストを訊くのですが、統計を取るとだいたい7割くらいの人が邦楽を選んでいることがわかりました。レッスンを始めた当初は半々くらいの割合だったので、この差はもう少し広がるものと予想できます。

僕にとって、はじめての邦楽は「ゲーム音楽」でした。本格的に興味を持ったのは中学2年生のころで、当時仲が良かった友人の影響だったのですが、その友人と仲良くなったきっかけもゲームだったのです。というのも、僕の好きなゲームがその頃に映画化しており、友人はその主題歌を歌っていたアーティストの大ファンだったのです。ドラムを始めたのは高校からですが、実を言うとそれより前に、ドラムを模した音楽ゲームにハマっていました。

楽器を習い始めたころ、「邦楽ばかり聞いていても上達しない」という話をよく耳にしました。この言葉には少し語弊があります。まず、「どんな音楽を聞いているか」と「どんな演奏ができるか」は無関係です。上達とは「楽器を持った時に何を演奏するか」によって左右されるのです。普段聞いている音楽の100パーセントがアニソンだったとしても、洋楽を演奏すれば洋楽は上達できます。逆を言えば、普段聞いている音楽の100パーセントが洋楽だったとしても、洋楽を演奏しない限り洋楽は上達しません。「邦楽ばかり演奏していても上達しない」というべきかもしれません



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しかし、この「邦楽ばかり演奏していても上達しない」というのも正確ではありません。邦楽だけ演奏していても、邦楽は上達するからです。邦楽に限った話ではありません。たとえば、「キャロルの曲しか演奏しない」という場合でも、キャロルの曲は上達できます。突き詰めれば、キャロルの曲のプロフェッショナルになることも可能です。問題は、キャロルの曲だけ演奏できても仕事に限りがあること、そして、競争に負ければ限られた仕事すら獲得できないことです。「邦楽ばかり演奏していてもお金にならない」が正確かもしれません。

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