恋人か母親か

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あなたは陸地から数百キロ離れた沖合のボートの上で遭難している、とする。そこへ、あなたの恋人と母親が流されてきた。ボートは2人乗りで、3人全員助かることはできない。どうする。

よくある問題である(実際に頻発している、という意味ではない)。「どうしてそんな状況に」とか「なんで父親じゃなくて母親なのか」といった疑問は多々あるし、「あたしの恋人は6時間以上立ち泳ぎできる」とか「そもそも恋人がいない」といった個人差もあるけれど、そういったのもすべて飲み込んだ上で以下の条件を受け入れて欲しい。

○ボートは絶対に2人までしか乗れない
○ボート上にいる人物は絶対に助かることができる
○海中にいる人物は絶対に助からない
○恋人や母親と相談することはできない

以上の条件を踏まえると、この問題は「恋人か母親か」の二択ではなく、実は選択肢が7つあることがわかる。すなわち、

1. あなたと恋人が助かる
2. あなたと母親が助かる
3. 恋人と母親を助ける(あなたがボートから降りる)
4. あなただけが助かる(ふたりを見捨てる)
5. 恋人だけを助ける
6. 母親だけを助ける
7. 誰も助からない(誰もボートに乗せない)

さて、あなたはどうする。少し考えてから下へスクロールしてみよう。






いかがだろうか。この問題のポイントは「1から7のうち、どれを選んだか」ではない。「選択肢を選んだか、選ばなかったか」である。

たとえば、「恋人が大切だ」と思っていても、「一緒に生きていたい」と思う人もいれば、「母親を見捨てるような相手(自分)と恋愛させたくない」と思う人もいるだろう。「誰か1人だけ生き残っても虚しい」と考える人だっている。色んな思惑があるだろうけれど、重要なのは、それを形にするかしないかである。誤解を恐れずに言えば、「選択しない人は何もできない」のだ。「俺は何も選択しない」「選択しない、を選択している」と言えば聞こえはいいが、何もしていないし、何も残らないので、結局は優柔不断であるし、意志薄弱といえる。「ただなんとなく」という感覚で選択している人の方がまだマシだ。

選択することで失敗するかもしれない。思い通りの結果にならないかもしれない。しかし、失敗すらしない、何も変わらないことこそ、本当の失敗なのである。

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