パフォーマンス、並びに、格好をつけることのメリットとデメリット

Pocket

パフォーマンスとは、国語辞書で「演劇・音楽・舞踏などを上演すること。また、その芸・演技」「人目を引くためにする行為」と定義されている。ステージ上で音楽を演奏するミュージシャンは、パフォーマンスという労働によって対価を得ているわけだ。主な労働内容は「楽器を弾くこと」「楽曲を演奏すること」だけれど、「MCする(舞台上で喋る)こと」「演奏している姿を見せる(アピールする)こと」など、音楽以外の要素も含まれる。「格好をつけること」もミュージシャンの仕事なのだ。

「格好つけるなんてナルシストみたいで嫌だ」「自分は音楽だけで勝負する」と言っているミュージシャンは多い。間違った思想ではないが、「自分はパフォーマンスでお金を稼ぐことができません」と仕事の幅が狭いことを宣言しているようなもので、公言するメリットがほとんどない。だいいち、労働とはすべからく嫌なものである。それを我慢して行動した結果が報酬になると言っていい。

格好をつけることで得られるメリットは思いの他大きい。楽曲はCDなどでも聞けるけれど、MCが聞けるのはライブだけだ。面白いMCができる人はMC目当ての顧客を掴むことができるため、集客に繋がる。顔立ち、着ている服、使っている楽器などのルックスは、持っているだけで相当な値打ちになる。「ライブは音楽を聞きに行くものだ」と言うミュージシャンが多いけれど、ミュージシャンでない人の話を聞くと「あのバンドのボーカルの娘が可愛かった」とか「さっきのギタリストの使っているギター(の形)が珍しかった」といった視覚情報ばかり印象に残っているのがわかる。ミュージシャンの想像以上に、観客は音楽を聞いていない。

格好をつけることにもデメリットはある。ひとつは、演奏に支障をきたす場合があるということ。ギターを低く構えればロックに見えるが、指板は押さえづらいし、ピッキングも悪くなりやすい。いくら見た目が格好良かったとしても、下手な演奏ほど格好悪いものはない。また、収入に見合わない高いギターやブランド物を買って赤字になるのは、ビジネスとして本末転倒である。同じような器材をいくつも買うくらいなら、そのお金を別の面(広告、宣伝費など)に投資する方が適当だろう。

最もパフォーマンスしなければならないのは、ステージ上ではなくステージを降りてからだったりする。これはミュージシャンに限らず、あらゆる職業に通じることだと思う。裏舞台を支配する者が、表舞台でスターになれる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA