○音部記号
ドラムの記譜(楽譜を書くこと)は、五線譜を用います。他の楽器と同様に音符や休符を書き込んでいくのですが、音部記号はト音記号ではなく、パーカッション記号やヘ音記号を用いることが多いです。僕はパーカッション記号を用いているので、今後の音部記号はパーカッション記号で統一させていただきます。
○符頭(たま)の位置
ドラムは明瞭な音程を持たないため、音程の差ではなく叩く楽器の差で書き分けます。たとえば、スネアはト音記号でいうところの「ド」の位置に記すことが多いですが、スネアの出す音程が必ずしも「ド」であるとは限りません。また、オクターブ違いの「ド」はスネアになりません。
○符頭の形
ドラム譜の最大の特徴とも言えるのが、符頭のバリエーションの多さです。通常の符頭、いわゆる「黒たま」はもちろん、バツ、三角形、スラッシュといった形の符頭も用います。スネアやタムなどの太鼓類は黒たま、ハイハットやライドなどのシンバル類はバツ、カウベルやタンバリンなどのパーカッション類は三角形、ブレイク(キメ)はスラッシュが用いられます。また、全音符や2分音符の符頭、いわゆる「白たま」は用いないことがほとんどです。
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○符尾(ぼう)の向き
他の楽器であれば第3線よりも上に記す音符の符尾は上向きに記すのが普通ですが、ドラムは手を使って叩く楽器は上向き、足を使って叩く楽器は下向きに記すことが多いです。聞いた話によると、このように手と足で符尾の向きを変えるのは「ヨーロッパ式」と呼ばれ、符尾の向きを上に統一する「アメリカ式」という記譜法もあるそうです。日本のドラム譜はほとんどヨーロッパ式であり、僕が書く楽譜もこれに準じています。
後編へ続く。