もしも本屋で流れていたのがモーリス・ラヴェルだったら

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櫻井がジャズに、ひいては音楽に興味をもったきっかけの1つが、本屋のBGMだった。幼少のころ、いつもゲームの雑誌を立ち読みしに行っていて、そこで流れていたビル・エヴァンスを聞いてジャズにのめり込み、彼の『ポートレート・イン・ジャズ』を聞いて櫻井はドラマーになった(参考『ポートレート・イン・ジャズの思い出』)。誇張ではなく、人生を変える出会いだったと思う。

○運命の出会い、再び

それから十数年が経ち、ドラムもそこそこ叩けるようになったころ、モーリス・ラヴェルと出会った。バンド音楽に傾倒し、クラシック音楽から遠ざかっていた櫻井にとって、ラヴェルはエヴァンス以来の衝撃だった。『ボレロ』は知っていたけれど、『水の戯れ』のようなピアノ曲を書いていたとは知らなかったのだ。

○別の世界線

もしもあの時、本屋で流れていたのがエヴァンスではなくラヴェルだったら、櫻井はジャズではなく、クラシック音楽にのめり込んでいただろう。『ポートレート・イン・ジャズ』も聞いていないからドラマーを志すこともない。楽器には興味があったけれど、「高校から楽器を始めてクラシック音楽のミュージシャンになれるはずがない」と、はなから諦めるのではないか。

それでも音楽に携わりたいと願うだろうから、クラシック音楽のミュージシャン、特に、ピアニストに関わる仕事を目指していただろう。職人肌というか、研究者気質なところがあるので、ピアノ調律師になっている気がする。あまり知られていないけれど、ピアノ調律師は国家資格なので、業界の中ではかなりまともな仕事だ。将来の危うさは音楽講師とさして変わらないけれど。

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