自分の音楽の好みに大きく影響した10本のゲーム

今年の5月にフェイスブックで流行した「〇日間連続で自分の音楽の好みに大きく影響した〇枚のアルバムを挙げる」という投稿に便乗し、10日かけて「自分の音楽の好みに大きく影響した10本のゲーム」を連載したことがあります。当時はフェイスブックにのみ解説を載せていたのですが、今回は全作品を解説付きでまとめました。

1本目は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』です。本作は、プレイヤーがコントローラーでオカリナを演奏するシーンがあるのですが、演奏時のコマンドを簡略化するために「同じメロディを反復させた音楽」が多く出てきます。シンプルなメロディは実にキャッチーで覚えやすく、今も心に残っています。僕が作曲する時は「可能な限りシンプルなメロディにすること」を心がけているのですが、そのきっかけとなった作品かもしれません。

2本目は『ファイナルファンタジーⅨ』です。言わずと知れた名作RPGシリーズで、どの作品も音楽が秀逸なのですが、僕にとって初めてのファイナルファンタジーで思い入れがあること、同シリーズの楽曲を長きに渡り作ってきた植松伸夫氏が全曲を手がけた最後の作品であることを理由にⅨを挙げました。音楽に感動して涙を流したのも、この作品が初めてだったと思います。ゲーム一筋の僕に、音楽の良さを教えてくれたゲームと言えます。

3本目は『ドラキュラ伝説Ⅱ』です。1本目、2本目と比べると、ニッチな作品かもしれません。ゲームボーイの音源でヘビーメタルやプログレ調の音楽を再現しているかと思えば、ドビュッシーの『パピスエ』をBGMにしているなど、音楽を幅広く楽しませてくれた作品です。変拍子の曲も多く、非常に複雑なのですが、当時はそんなこともわからず「かっこいいなあ」と思っていました。

4本目は『エターナルアルカディア』です。ドリームキャストの王道RPGで、後にゲームキューブにも移植されています。音楽もストリングスを用いた王道のBGMですが、演出が凝っている作品でした。たとえば、ボス戦でボスのHPゲージが少なくなるとマイナー調だったBGMがいつの間にかメジャー調に転調していたり、テキスト送りのタイミングに合わせてBGMが流れたりするなどが挙げられます。「音楽の聞かせ方」を意識するようになったのは、この作品のおかげかもしれません。

5本目は『ソニックアドベンチャー』です。スピード感のあるアクションゲームにふさわしい爽やかな楽曲が多いのですが、操作キャラクターそれぞれに用意された「テーマソング」がどれも格好良く、ゲームそっちのけで音楽ばかり聞いていました。「この経験があったから、ゲームから音楽へ転向しようと思った」と言っても過言ではありません。もちろん、ゲーム自体も大変面白く遊ばせていただきました。



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6本目は『ドラムマニア』です。間違いなく、僕がドラムを選ぶきっかけの1つとなったゲームです。当時のドラムマニアはハイハット、スネア、キック、ハイタム、ロータム、ライドの6つしか叩く場所がなく、判定調整も甘かったため、実際のドラム演奏とは大きなギャップがありました。それにも関わらず「自分はドラマーなんだ」という気分を与え、モチベーションを高めてくれたことで今にいたります。

7本目は『スーパードンキーコングGB』です。ゴリラをモチーフとしたキャラクターが主人公のせいか間の抜けたゲームのように思えますが、実際はとても硬派なアクションゲームで、BGMにもそれが表れています。スーパーファミコンで発売された本家ドンキーコングの楽曲も大好きなんですが、当時はスーパーファミコンを持っていなかったため、ゲームボーイの作品を挙げました。スウィングの効いたラテン・フィールは、ゲームボーイの音源でも健在です。

8本目は『スペースハリアー』です。この作品はボーナス・ステージやエンディングを除けば2、3曲しかBGMがないため、プレイ中は終始同じ楽曲が流れています。シューティング・ゲームなので、残機がなくなれば初めからやり直しなのですが、それでも飽きずに楽しめたのは、音楽の力が強かったからだと思います。表題曲である『スペースハリアーのテーマ』は、今回挙げる10作品の中で唯一、ドラム・レッスンに採用している楽曲です。

9本目は『真・女神転生 デビルサマナー』です。僕は岡田耕始のプロデュース作品の大ファンで、本作品を含む『真・女神転生シリーズ』は彼の代表作の1つとなっています。パッドの使い方やベースラインが特徴的で、同シリーズが持つ独特の世界観を助長しています。僕がゲーム音楽を好きになったきっかけになっただけでなく、僕の音楽的嗜好を定めた重大な作品です。

10本目、最後は『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』です。いわゆる「探偵もの」らしいジャジーな音楽が多いのですが、当時のゲームにしては珍しく、ほとんどのBGMに生演奏が用いられています。この作品は音楽だけでなく、シナリオもキャラクター・デザインも人気が高く、後のシリーズ作品に大きな影響を与えた傑作となりました。僕がハードボイルドに憧れるようになった発端であり、今なお目指し続けている理想です。

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