怒りやフラストレーションを芸術活動に昇華させる方法

心に抱えた負のエネルギーを原動力とし、音楽や絵画、小説などの芸術活動で成功を収める人がいます。こと音楽に限定しても、失恋した悲しみやショックを歌詞にしたり、耳が聞こえなくなった不安や苦しみを作曲に活かしたり、戦争や貧困、差別への怒りから平和を歌ったりするなど、様々な表現方法があります。このように、本来であれば悪影響となり得るマイナスの感情を行動の一因へと変化させる心の動きのことを「昇華」と言います。

著名なアーティストのインタビューを見ると、昇華と考えられるエピソードがよく取り上げられています。ドラマチックで見ごたえがありますし、成功が約束された物語であるため、扱いやすい商品なのでしょう。それだけ影響力もあり、「成功するためには昇華が必要だ」と考えているアーティストは多いです。あえて自分を苦しい環境に置いたり、身の丈に合わない高いハードルに挑んだりします。

僕の知り合いでは、「作曲する時は自宅の押入れに引きこもる」という人がいます。家には広いスペースがあるのに、空気も悪く照明もない、狭い空間をわざわざ選んでいるのです。また、「自分は世間から期待されている」と思い込むことで、自身にプレッシャーをかけている人もいました。心理士の友人いわく、結果が出ているならどちらも昇華と呼べなくもないそうです。つまり、自作自演であっても昇華は可能である、ということです。



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重要なのは「結果を出すこと」です。この場合の結果とは、社会的成功に限りません。「大きな音を出してすっきりしたい」という些細なものでも十分結果です。マイナスの感情を無視したり誤魔化したりせず、正面から向き合った上で行動できれば昇華は成功です。言うだけなら簡単ですが、実際は難しいでしょう。高望みすればそれだけ結果は出にくくなりますし、最悪それが原因で症状が悪化する可能性もあります。「プロになって見返してやる!」みたいな大きな結果より、「誰か1人を笑顔にしたい」みたいな身近な結果の方が昇華に繋がりやすいのかもしれません。

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