「ボーカロイドの父」、剣持秀紀氏のセミナー

専門学校へ通っていたころ、ヤマハの音声合成技術『ボーカロイド』の開発者で、「ボーカロイドの父」と呼ばれる剣持秀紀氏(けんもち ひでき。以下、剣持氏)がセミナーしに来たことがあります。ボーカロイドと言えば、ここ10年足らずで音楽の歴史を変え、「ボカロ」という新しいジャンルまで開拓した先端技術です。『初音ミク』を始めとする、ボーカロイドを使ったキャラクターが、アイドル顔負けの人気を誇っていることは周知の事実でしょう。

その開発者が来校するというだけでも話題になりますが、さらに注目を集める要因となったのが「セミナー参加者全員にオリジナル・ボーカロイドTシャツをプレゼント」という特典でした。生徒は無料で参加できますし、外部の人も1,000円の参加費で人気のボーカロイド・グッズが手に入れられるのですから、こんなにおいしい話はありません。結果、いつもなら校内のホールで開かれるセミナーが、参加者過多のため区民ホールに会場を移すほどの大盛況となりました。

僕も興味はあった(無料で服が欲しかった)のですが、あいにくセミナーの時間が夕刊配達と被っていた(新聞奨学生だった)ため、参加できませんでした。「せめて服が欲しい」と学校側に嘆願したところ、「余ったらあげる」という約束を取り付けることに成功しました。望みは薄かったのですが、夕刊配達後に学校へ駆けつけた結果、見事にオリジナル・ボーカロイドTシャツを獲得したのです。それが、こちら。

知らない人のために一応説明しておきますと、この金ラメは初音ミクの顔ではなく、剣持氏の顔です。大阪のおばちゃんを思わせるどぎついカラーリングです。



★オススメ ライブ




どうしてこんな悪趣味、じゃなかった、いや悪趣味で合ってるか、なTシャツを配布することになったのでしょうか。素直に初音ミクのTシャツを作れば良かったのですが、これにはちょっとしたわけがあります。たしかに『ボーカロイド』は剣持氏が中心となって開発されたヤマハの技術ですが、『初音ミク』はボーカロイドを使用した別会社(クリプトン)の製品であり、ヤマハ社に使用権はないのです。よって、初音ミクがプリントされたTシャツを作って配ることは、断じて許されなかったわけです。

参加者は多かったのですが、Tシャツは10着以上余っていました。僕は爆笑しながら4着もらい、うち3着は学校のバスドラムに入れてミュートにしました。ボーカロイドの父なだけあって、良い音で鳴ってくれたのは言うまでもありません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール