黒歴史

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他人に打ち明けるにはみっともない過去や、取り返しのつかない過ちを表した言葉。たとえば、「ジャンパーをマント代わりにし、外はもちろん教室の中でも羽織っていた」「前髪で目元を隠すのが格好良いと思っていた」「卒業文集の『将来の夢』の欄に『悪魔召喚士』と書いた」などが挙げられる。ちなみに、いずれも小学生時代の櫻井ティモである。このように、自虐ネタとして使えるのも黒歴史の特徴と言える。

黒歴史が黒歴史たる所以は、「やり直すことができない」という性質に起因する。前髪を短く切っても「前髪だけ極端に伸ばしていた」という事実は変わらないし、ジャンパーを脱いだところで卒業アルバムに載った「1人だけ不自然なジャンパー姿の写真」が消えるわけではない。「あの時こうしていれば」と想像したところで、歴史に「if」はないのである。「全くもって身に覚えがありません」と忘れたり誤魔化したりすることはできても、歴史を変えたり消したりすることはできないのだ。

歴史を変えることができない以上、黒歴史は未来永劫、自分が死んだ後も黒歴史のままだ。人によっては生活に支障をきたすほどのストレスを感じたり、最悪死を選んだりする。「このまま黒歴史を抱えて生きるくらいなら死んだ方がマシ」と考えるわけだ。抱えるという表現が正確かどうか不明だけれど、一応理屈は通っている。

後悔する過去も経験も浅い子どもは「やりたいことをやりたい」という欲求に従順であり、自由な発想で突飛な行動を取りがちである。大人はそれを見て肝を冷やす。軽率な行ないは黒歴史に繋がると考えているからだ。かつて自分が失敗したことを繰り返させないため、「将来のために勉強しておきなさい」とか「そんなみっともない真似はよしなさい」と口にする。子どもに比べ、大人は臆病なのだ。それが悪いことだとは思わないけれど、少なくとも教育にはならない。もし子どもに勉強させたいと思うなら、まず自分が勉強すべきだ。口先だけの言葉に騙されるほど、子どもは馬鹿でない。

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