富士山の思い出

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ご存知、日本で最も高い山。初夢に出てくると幸せになるもの、文字通りナンバーワン。大抵のフィクションで噴火することから、未だ活火山であることは広く知られている。某2重人格少年SF漫画では内部がピラミッド構造になっており、古代エジプト・不老不死の秘宝が眠っていることから不死山→富士山になったとされている。高さは「富士の山にみななろう」と記憶しているので、変化していなければ3,776メートルのはず。ん、キロメートルだっけ? こういうところで頭の悪さが露見してしまう。

日本を代表する山とあってか、他の山と比べて圧倒的に観光・登山客が多い。かく言う櫻井も1度登ったことがある。五合目までバスで行って、途中の山小屋で一泊し、早起きして登頂し、日の出を見る、というのが鉄板なのだけど、1泊するお金が勿体ないので、夜中に登り始めて日の出までに登頂するという、初の富士登山にしては若干酷なことをした。しかも単独登山。なんで登ったかというと、ちょうど富士登山シーズンである7月下旬から8月に当時好きだった子(片思い)の誕生日があって、「誕生日に日本一高い山で愛を叫んだら面白いんじゃね?」という理由。なんかもう、いろいろ若いぞ、俺。

夜、5合目に着くと、まず暗すぎてどこが登山口なのか全くわからない。唯一開いてる登山グッズを売っている店に入って「すいません、頂上ってどっちですか?」と聞くと、「リュック背負った人に付いてけば大丈夫」という富士もビックリのダイナミックアバウトなアドバイスをもらえる。あと、酸素ボンベが1,000円で購入できる上に、「登山で使わなかったら返金します」というサービス付き(実際、購入して使わなかったので返金してもらった)。

富士は全10合構造で、5合目から6合目がえらく短い。たしか30、40分くらいで着いた覚えがある。「なんだ、このペースなら二時間くらいで登れるじゃん」と勘違いするのが富士登山あるある。そこからがむっっっっっっちゃ長い。7合目過ぎた辺りから体力的にだいぶしんどくなるし、いくら登っても8合目が来ない。やっとそれらしき看板が! と思ったら「7合半」だったりして、もう叩き割りたくなる。あと、登れば登るほど物価が高くなる。マルちゃんの赤いきつねが8合目か8合半あたりで1,000円で売ってる。金欠とはいえ、ネタになると思って買って食べたけれど、味は至って普通。強いて言えば、売り子さんがお湯を入れてくれるサービスが付いているくらい。

櫻井が行ったときは観光シーズン真っ只中だったため、8合半過ぎたころから人がごった返しになっていて、頂上まで行列ができていた。誇張ではなく本当に行列で、歩いてる時間より止まっている時間の方が長い。頂上手前、9合半くらいでようやく列がゆっくり登る人レーンと早く登る人レーンのふたつに分かれる。遅れたペースを取り戻すかのごとく、ダッシュする観光客。これも誇張ではなく、早く登る人レーンは軽いマラソン状態になる。中には登山道を外れて登ろうとする人も出てくる。落石の恐れがあるので、良い子も悪い子も真似しないように。

そんなこんなあって、大体6時間半くらいで登頂。朝日を瞬間も、とにかく人が多い。今か今かと待ちわびながら、「あれか?!」「いや、違う」のやりとりを幾度か繰り返した後、突如としてファイナルファンタジーのテーマがスピーカから流れ始めると、それが朝日の合図。ジョークのような、本当の話。朝日も見たし、できればそのまま家に帰りたいのだけれど、残念なことに下山しなければならない。登りよりずっと早いとはいえ、それでも3時間くらいはかかる。5合目に帰ってバスの座席に座り、たぶん、生まれて初めて気絶した。後にも先にも、あれほど疲労困ぱいする経験はないと思う。

以上、富士山の思い出。なんやかんや高山病にもならんかったし、途中で断念する人も多い中、初の富士登山を単独で成功させたのは、やっぱり愛の力と言わざるを得ない。愛は勝つのだ。ただひとつ付け加えるなら、当時片思いだった子とは何ひとつ進展しなかった。恋仲はおろか、友情もなかったと思う。他人以上友人未満。頂上でむっちゃ叫んだのに。名指しで愛を叫んだのに。ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちく

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