目と違い、人間の耳は、かなり鈍感にできています。たとえば、AKB48の、全メンバーの顔を覚えている人はいるかもしれませんが、声だけで全メンバーを判別できる人は、その半分もいないでしょう。

目で見える情報は、周りと少し違うだけで特徴になり得ます。ちょっと目が青かったり、身長が高かったりするだけで、「日本人離れしている」という特徴になります。ところが、声は、耳で聞く情報であるため、ちょっとやそっとの違いでは気づかれず、特徴になりにくい傾向にあります。

特徴的な声を目指し、思いっきり甲高い声を出したとしましょう特徴にはなるかもしれませんが、相手に不快な思いをさせる可能性が高くなります。僕自身、「ティモさんの声って特徴的ですよね」と言われることがありますが、どうも「良い声だ」というより、「変な声だ」と遠回しに伝えているような気がします。特に痛めてもいないのに、同僚から「のど、大丈夫ですか?」と心配されたこともありました。違いが、必ずしもポジティブな特徴にならないのは、目の情報も同じです。



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しかし、ポジティブな意味で、特徴的な声の人が存在します。歌を歌うボーカル、舞台やドラマに出ている役者、テレビに出ているアナウンサーや声優など、声を仕事にしている人は、ほとんどがそうでしょう。彼らは、発声のプロフェッショナルですから、素人とは声の出し方が違います。優れた技術を持つこと、これも、立派な特徴の1つです。さらに、その人ならではの声という特徴もあります。具体的に説明するのが困難ですが、この特徴は、優れた技術の上に成り立っているように思えます。

声を中心に書いてきましたが、この話は、にも通じます。初めに書いた通り、人間の耳は鈍感です。シンバルをシャーンと鳴らしても、ジャーンと鳴らしても、ほとんどの人は判別できません。「なんとなく違う気もするけど、どっちでもいいじゃん」と言われるでしょう。鈍感な人に、「良い音だ」と感動させるには、「その人ならではの音」が必要です。

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