ミスチルを知らない世代

先日、ある現役大学生と音楽の話題になりました。僕が、「ミスチルって知ってる?」と訊ねると、彼は「名前すら聞いたことがない」と返しました。僕の世代なら、誰でも1曲はメロディが口ずさめるくらいメジャーなバンドなので、この返答にはひどく驚きました。しかし、ピークはもう20年近く前ですし、今の若い子が知らないのも、当然と言えば当然です。

U2の新作アルバムが、iTunesのライブラリへ自動ダウンロードされた時、「U2って誰?」という声が多数あったそうです。音楽に興味がない人は、ライブラリを開かないため、「誰?」とすら思わないでしょう。音楽をやっていると、自然に音楽好きが集まってくるので忘れがちですが、音楽に無関心なのは、珍しくありません。どちらかと言えば、ミュージシャンの方が珍しい存在でしょう。

音楽に限った話ではありませんが、YouTubeなどが発達した今の世の中、音楽にお金を払う行為は、「普通」のことではなくなりました。今の「普通」は、「いかに無料で楽しめるか」にかかっています。そのため、「音楽に対してお金を落とす世代」の年齢が上昇し、業界もそのニーズに応えようとします。近年流行りのバンド再結成も、その1つでしょう。古参のバンドは、ベストアルバムを出して新規ユーザーを獲得するより、既存ユーザーへ向けて新曲を出すことに力を入れていくのではないでしょうか。あとは、音楽以外の付加価値をつけるしかありません。「握手券」が良い例でしょう。アニメの主題歌も、この類に入ると思います。「良い曲だから買う」ではなく、「良いアニメの主題歌だから買う」という層を狙うわけです。



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「お金を落とす世代」がさらに高齢化し、いずれはいなくなった時、この傾向は、消えるかもしれません。僕よりも若い世代が生きながらえるために、自分に何ができるか、何が残せるのか考えなければなりません。割と真剣に、老後について考えています。

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