デブになりたい

特定の層から非難を受けそうなタイトルですが、ドラマーなら一度は切望するのではないでしょうか。一般的に、ドラマー自身の体積が増すと音量が上がり、太くてパワーのある音質へ変化します。細身でも身長があれば体積は増しますが、成長期の終わった大人は横幅で稼ぐしかありません。

横幅を増やすものは主に「筋肉」と「脂肪」です。健康的なのは筋肉ですが、筋肉は脂肪よりも重く硬いので、アタックを強調する傾向にあります。ロックやメタルといったジャンルにはマッチしますが、もう少し丸く、ソフトで、深さのある音色が欲しい場合は柔らかい脂肪が適していると言えるでしょう。

僕は太く丸い音が好きなので、脂肪の音の方が好みなのですが、標準体形の域を出ません。脂肪に悩む友人に「どうやったら脂肪がつく？」と遠慮なく訊いたところ、「とにかく食べて寝る」とのことでした。やはり、僕が過去に書いたブログは真であると証明されました（参考『絶対に痩せる方法』『「食べない」以外で痩せる方法』）。

しかし、「食べる」「寝る」は金銭と時間を浪費します。不摂生のためにそんな贅沢行為するのは気が引けるので、「せめて筋肉をつけよう」と思い、筋トレとジョギングをかれこれ2年くらい続けています。最近知ったのですが、運動には筋肉をつける無酸素運動と、脂肪を落とす有酸素運動があって、筋トレは無酸素運動、ジョギングは有酸素運動にカテゴライズされるそうです。脂肪が落ちてムキムキになるのは大変健康的ですが、理想の音から遠ざかっていくのは切ないものです。ああ、デブになりたい。