スーツ

Pocket

櫻井の通っていた高校は私服校というか、「服装は自由」という校風だったので、スーツを着て通学していたことがある。理由はいくつかあるのだけれど、「着ていく服を選ぶのが面倒だったから」というのが主たる原因かもしれない。ジャズメンはスーツを着ているイメージがあったし、「大人の服装」という点でも憧れがあったのかもしれない。大体、職員室にいることが多かったし、職員より職員らしい格好だったので、新入生によく教師と間違われた。ちなみに、スーツを着る前はダボダボの赤いパーカーを着ていた。いわゆる「B系」と呼ばれる不良のファッションらしかったのだけれど、本人にそんなつもりはなく、ただ「オーバーサイズの方が冬は暖かそうだから」という理由でダボダボしていただけである。その辺のギャップにも周りはビックリしていたのかもしれない。

スーツを着る上で欠かせないアクセサリが、ネクタイである。櫻井はこのネクタイが大好きで、色んな本を読んでネクタイの締め方を勉強したこともある。今では眼鏡をかけるくらい自然に締めることができる。スーツはそう何着も買えるものではなかったけれど、ネクタイは結構持っている。また、「スーツキャラ」のようなものが校内で定着したおかげで、貰いもののネクタイも多い。ダンヒルは3本くらい持ってるし、ラルフローレンのようなカジュアル寄りのものある。同じスーツとカッターでも、ネクタイひとつで印象が変わるのもスーツの良いところだと思う。クールビズでネクタイをつけないのが流行っているけれど、あれを見るたび「ああ、なんてもったいない!」と思ってしまう。これがフェティシズムというやつだろうか。

以前読んだ本では、スーツの3大国はイギリス、イタリア、フランスで、イギリスが重めのフォーマル志向、イタリアが軽めのカジュアル志向、フランスがその中間らしい。音楽的にはフランスは軽めで、重めのドイツ、伝統のイタリアといった感じだけれど、どうやらスーツはそうでもないらしい。昔は「いつか良いスーツを着てジャズを演奏したい」と思っていたけれど、自分の体型があまりスーツ向きでないことを知ってからは疎遠になってしまった。スーツが好きだからこそ、着るなら格好良く着たい、という理屈である。今はもうあまり着る機会がないけれど、たまに着ると、似合うかどうかは別として、やっぱり良い服だな、と思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA