「どこ?」
イギリスの西側にある小さい島がアイルランドです。ただし、北側の一部は「北アイルランド」という名称のイギリス領になっています。通貨もユーロからポンドへ変わりますが、北アイルランド~アイルランド間はパスポート不要で出入国できます。
「ユーロ加盟国なの?」
イギリスと隣接しているせいか、「通貨がポンドでユーロが使えないから、ユーロ加盟国でない」と連想する方がいらっしゃいます。アイルランドはれっきとしたユーロ加盟国で、通貨もユーロです。ちなみに、イギリスもユーロが使えないというだけで、れっきとしたユーロ加盟国です。
「ああ、あの北極の近くにある島ね」
おそらく、アイスランドと混同しているものと思われます。同時に、アイスランドとグリーンランドを混同しているものと思われます。それぞれの位置を地図で確認してみましょう。

「むっちゃ寒そう」
緯度はロシアより少し南ですが、メキシコ湾流の影響により、それほど寒くありません。真冬でもたまに氷点下いくかいかないかくらいで、雪は滅多に降りません。ただ、10月~5月くらいまで(日本人にとって)肌寒い期間が続き、年中風が強いため、体感温度はもう少し低くなります。それでも、日本の東北地方や北海道よりずっと暖かいです。
「何語?」
一応、オフィシャルには第1言語が「ゲール語(ゲーリック)」で、第2言語が「英語」となっており、道路標識などもゲール語と英語の両方が記載されています。日常生活でゲール語を使うのは、ごく一部の年配の方くらいですし、その人も普段は英語を使っているので、英語が事実上の公用語といえます。

「ゲール語ってどんな言葉?」
アイルランドに古くから伝わるオリジナルの言語です。学校の授業の科目にもなっているそうですが、日常的に使っている人はまずいません。古いアイルランド民謡の歌詞に使われていることもあります。一時期「癒し系ボーカリスト」として流行ったアイルランドのボーカリスト「エンヤ」の楽曲には、一部ゲール語で歌われています。日本で最も有名なゲール語と言えば、「家族」という意味の「Clannad」でしょう。同名の音楽グループも存在しますが、YouTubeなどで検索してもまずヒットしません。
「何が有名?」
『ギネスビール』や『アイリッシュ(ウィスキー)』といった食べ物(というかお酒)が有名です。音楽的には、前述の「アイルランド民謡」が有名ですし、ポップ音楽ではU2やヴァン・モリスンなどがアイルランド出身です。これといった観光名所はなく、「人気観光スポットランキング」のベスト5の内、3つは似たり寄ったりの公園になっています。
「治安が悪そう」
他の国をよく知らないのでなんとも言えませんが、ヨーロッパの中で最も治安の良い国だそうです。僕が2年間住んでいた中で受けた被害を挙げておくと、「着いて3日目でスリに遭う(20ユーロ)」「庭に停めていた自転車が半壊される(75ユーロ)」「銀行口座の貯金をすべて盗まれる(3,000ユーロ)」などがありました。さすがに3つ目は被害届を出しました。アイルランドに着いてまだ1ヶ月も経っていないころの話です。