ウォッシュボードとは

名の通り「洗濯板」を楽器と言い張ったものです。20世紀初頭、つまり、西暦1900年付近のアメリカで誕生した「ジャグ・バンド」という音楽ジャンルで用いられます。木の枠に波状の金属板を組み込んだ、楽器と呼ぶにはあまりに武骨な作りなので、「道具」が適当である気がします。用いられるジャンルが極端に古く、かつ狭いため、プレイヤーが著しく少ないことが特徴です。

演奏方法も極めてシンプルで、裁縫で用いられる金属製のパーツ「指貫」を装着した指で、波状の金属板を叩いたり擦ったりするだけです。他楽器で例えるなら「ギロ」に近いのですが、ウォッシュボードはその構造ゆえに中低域のない「超高域特化」の楽器です。黒板を引っかく音やガラスが割れる音が不快であるように、超高域の音はほとんどノイズのようなもので、音楽的に成立させるのが難しくなります。実際、少なくないミュージシャンがエフェクト(効果)としてウォッシュボードを用いています。

音楽的に演奏する際、ポイントになるのが「発音の仕方」です。ウォッシュボードに対して垂直方向に指を当てるとアタックが強調され、より高域の際立った音になります。また、指を寝かせ過ぎると接地面積が増え、同じくアタックが強調されます。斜め方向から放物線を描くように、なるべく指先でタッチするように軽く音を出すと良いでしょう。

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ドラマーらしいアプローチを適用するなら、ロッズやブラシを使うのがおすすめです。レコーディングや小音量の現場ではプラスチック製のブラシ(ナイロンブラシ)や柔らかめのワイヤーブラシ、ある程度音量が求められるライブでは固めのワイヤーブラシを使うと良いでしょう。ジャグ・バンドっぽさを求めるならスプーンもおすすめです。カレースプーンだと掬う部分が大きくてうるさくなりがちですし、計量スプーンだと短くて演奏しにくいので、パフェに刺さっているスプーンを使ってみてはいかがでしょうか。

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