緊張感

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日本では「プレッシャー(pressure) 」という言葉がよく使われるけれど、英語圏では「ナーバス(nervous) 」の方がよく使われる。気持ちが張り詰め、注意深くなっている心理状態を指すが、心拍数が上がる、呼吸が乱れる、手が震えるなど、身体的不良が見られるのも特徴である。一般的に、人前で何かをする時、あるいは、その直前に感じることが多い。その緊張感のせいで、いつもの調子がでなかったり、思わぬミス(凡ミス)を引き起こしたりしてしまうと、「緊張に弱い」と言われたりする。「上がり症」「本番に弱い」という言葉もほぼ同義で、「緊張感に負けている」といったネガティブな意味で用いられる。

ミュージシャンをやっていると、人前で演奏する機会、「本番」が幾度となくある。よく「プロの人は本番でも緊張しない」と言われるけれど、正直、櫻井はそうでもない。やっぱり本番前は多少緊張するし、ステージに立っても緊張感が少しは残っていると思う。ただ、見ている人の人数には、あまり左右されない。といっても、300人を超える数は経験していないので、1,000~10,000人クラスになると、また変わってくるのかもしれない。とりわけ、大御所のミュージシャンの方と共演する時に、緊張度が高まる傾向にある。それでも、手が震えるほど緊張はしないし、その緊張が原因でミスすることはない。

櫻井が一番緊張するのは、「ライブしましょう」という話が持ちかけられた時、つまり、最初だ。誰と共演するか、どんな曲を演奏するか、どこでやるのか、そういった具体的な情報が入ってきた時に最も緊張する。「自分にできるのか」「無理なんじゃないか」と真剣に悩むのだけれど、本番に近づくにつれて、だんだんと緩和されていくのだ。これは大学へ行っていた時も同じで、「卒業(進級)までに、これだけやります」という説明がされた、最初の1、2ヶ月が一番ピリピリしていた。卒業試験の時なんかは「こんだけやって無理やったら無理やろ」と、半ば投げやりに近い状態だったと言える。

色んな人がいるので一概には言えないけれど、本番の後に「緊張せずにベストが尽くせた」とか「緊張し過ぎてあかんかった」などと言っている人は、どちらも良い結果を出せていない場合が多い。結果を出している人は、もっと具体的に返答をしているものだ。たとえば、資格試験ならば「自分は○○点の見込みで、例年の傾向を見ればこれは合格圏内だけれど、今年度の試験の難易度を考えると、平均点は上がる見通しなので、油断できない」など。こういう人は、たとい試験に落ちても、「今回は自分より頭の良い人が多かったのだ」と分析し、次へ繋がる。ミュージシャンも同じで、緊張うんぬんは非常にどうでもいい。

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