福祉と医療の違い

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福祉の仕事というと、今も昔も「安定していて人気の職業」というイメージがある。ひと口に福祉職と言っても、以下のように種類は様々である。

○社会福祉(相談員・生活指導員など)
○介護福祉(ホームヘルパー・ケアワーカーなど)
○医療福祉(看護師・薬剤師など)
○精神保健福祉(精神保健福祉士・臨床心理士など)
○児童福祉(保育士など)

いずれの職業にも共通しているのは、福祉に関わる専門的な知識や資格を必要とする職業であるということである。特に今の日本は、少子高齢化や自殺者数の急増という大きな問題を抱えており、福祉職の需要が高まっているのは明白である。

しかし、この中でも「薬剤師」は特殊で、ほとんど「医療職」に分類されるのでは、と櫻井は思う。字も「薬剤士」ではなく、「医師」と同様に「薬剤師」と書く。看護師についても、元々男性⇒看護士、女性⇒看護婦と呼ばれていた背景はあるものの、他の福祉職に比べて、はるかに医療職に近い。

では、福祉と医療の違いは何か。そもそも福祉とは「しあわせ、幸福」という意味であり、医療が持つ「医術によって病を治す行為のこと」という意味に比べて定義が曖昧である。「公的配慮によって社会の成員が等しく受けることのできる安定した生活環境」という意味もあるが、それでは医療も福祉の分類の中のひとつ、ということになってしまう。

そこで今度は医療職に焦点を当ててみる。医療職の代表といえば「医者」だ。これも外科、内科、歯科、眼科、産婦人科、精神科と様々な種類があるが、共通して言えるのは「治すのは人間の肉体に限定される」ということだ(精神科が治すのは脳である)。これこそ、福祉の医療の差である、と櫻井は思う。すなわち、「肉体を癒すのが医療」で「心を癒すのが福祉」という訳だ。RPGで例えれば、HPを回復するのが医療、状態異常を回復するのが福祉である。魔法で例えると、医療はディアラハン、福祉はパトラ。

櫻井が目指している「音楽講師」も「師」という字がつくが、教育職は福祉や医療とは目指すものが根本的に異なる。福祉と医療はマイナス状態をゼロ状態にするのが目的だけれど、教育はゼロ状態をプラス状態にするのが目的である(カジャ系魔法だ)。各学校に相談員が配置されているのはこのためである。教師はカウンセラにはなれないのだ。

※追記

福祉学部の友人によると、薬剤師と看護師は医療職であり、医療福祉とは、「病院内における退院支援を行なう福祉職」のことを指すらしい。例えば、病院で患者とその家族と退院後の生活の相談に乗るケアワーカー(相談員)は、社会福祉であると同時に医療福祉である、ということになる。また、「師」と「士」の違いは、前者は業務独占、後者は名称独占である場合が多い、とのこと。更に、「心の治療」を行なうのは臨床心理士のみで、その他の福祉職の仕事は飽くまで「生活の支援」に限定される、とのこと。

「医療行為も一種の生活の支援なのではないか」と思っていたけれど、医療の生活支援は間接的で、福祉はより直接的である、という違いがあるかもしれない。つまり、目を患っている対象に対し、目を治して対象に景色を見せるのが医療、対象の目となって景色を伝えるのが福祉、ということ。

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