ドラム・セットのセッティング

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同じドラム・セットでも、セッティングには個人差が出る。見た目で一番わかりやすいのは、シンバルやタム、スネアの打面の「角度」だろう。ほとんど水平にしている人もいれば手前に大きく傾けている人、手前を高くして奥側に傾けている人もいる。やや手前に傾けているくらいが演奏しやすい角度だけれど、スティックのショルダー部分でシンバルをクラッシュ的に演奏したり、スネアでオープンリムショットを多用したりする場合には水平にしている方が演奏しやすい、という人もいる。普段から大口径のバスドラムや深胴タムを使うことが多い人は、水平にできない(打面が高くて演奏できない)セッティングに慣れているため、ほとんど垂直と言っていい角度で演奏していたりする。

もうひとつ、見た目でわかりやすいのにシンバル、タム、スネアの打面の「高さ」がある。高めよりは低めの方が演奏しやすいけれど、手が交差するフレーズなどを叩く際には、ある程度高さがないと移動しにくい。頭上より高い位置にあるシンバルなどは、叩く際に派手な体捌きになるので、主にパフォーマンス目的でセッティングされていることが多い。あと、同じ高さでも「椅子の高さ」はかなり重要なポイントになる。座った時に膝が少し下がるくらいの高さが目安だけれど、ジャズやラテンなどバスドラムを軽く踏むことが多いジャンルでは膝が伸びるくらい高くしていたり、ロックやメタルなどバス・ドラムを重く踏むことが多いジャンルでは膝が座面よりも高い位置にきていたりすることもある。椅子に関しては「座る位置」も肝心で、座面の前半分に腰掛けるのが一般的だけれど、座面にふとももが当たるくらい腰掛ける人もいる。

叩きやすいセッティングするのは非常に大切だけれど、ステージに立ってパフォーマンスする以上、「見た目」もこだわってセッティングする必要があるだろう。一時期「誰もやっていないようなセッティング」をコンセプトに色々と試したけれど、あまりに突飛過ぎるセッティングは演奏に支障をきたすし、上品さに欠ける、という結論に至った。この辺の美的センスは周りの目うんぬんを気にするよりも、当人の好きにすれば良いと思う。しかし、1台のドラム・セットを複数人で使うジャム・セッションのような環境でこれを持ち出すのは極めて下品なので、控えるようにしよう。

ちなみに、櫻井が最も注意しているポイントは「左足の位置」である。その他のセッティングはそれほど気にならないのだけれど、左足の位置が安定しないとパフォーマンスがぐっと下がる。椅子から離れ過ぎても駄目だし、近過ぎても駄目。椅子の高さや位置も、左足を基準に考えている。裏を返せば、櫻井の最大の弱点は左足、とも言える。「○○じゃないとできない」というのは、こだわりや誇りにはならないのだ。

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