オーケストレーション

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音楽を演奏、制作する場において用いられる音楽用語で、「オーケストレーション」は名詞、「オーケストレート」で動詞になる。日本語では「管弦楽(編曲)法、組織化、調整」と訳せるけれど、最も近い言葉は「調和」「調和をとる」だろう。日本で「調和が欲しい」「調和をとってくれ」と使うのは、主に人間関係においてだけれど、英語圏では(少なくとも、アイルランドでは)音楽の分野において頻繁に用いられる。

たとえば、ライド・シンバルとハイハットだけで、単にタイムキープしているだけのドラムに対し、「もっとオーケストレーションが欲しい」「もっとオーケストレートしてくれ」という風に用いる。対策としては、スネアやタムを使ってコンピングしたり、ダイナミクスをつけることが挙げられる。日本語だと、「彩りを加える」だろうか。「そうか彩りが欲しいのか」と、思いっきり叩きまくると「やりすぎ(トゥー・マッチ)」「もっとシンプルに」とは言われるが、「オーケストレーションが欲しい」とは言われない。つまり、この場合のオーケストレーションは、過剰な行ないに対する「バランスを取ってくれ」という意味の「調和」は含まれていない。削る行為(デザイン)ではなく、加える行為であると言える。

他の例では、作曲において、適切な音域で適切な楽器が鳴っていると「オーケストレーションがよくとれている」と評価される。ベース・ソロの時に、ピアノが低い音域でバンプを演奏してたりすると、音域がぶつかってしまうため、「オーケストレーションがとれていない」ということになる。これも対策としては、バンプの音域を上げたり、別の楽器でバンプすることなどが挙げられるけれど、「バンプをしない」「バンプを減らして短くする」といった削る行為もオーケストレーションに含まれる。この辺のややこしさが、オーケストレーションが日本語訳しにくい点でもある。物凄く抽象的な表現だけれど「なんとなく、いい雰囲気で」というのが一番適切な訳し方かもしれない。

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