ヨブ

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旧約聖書に書かれた『ヨブ記』の主人公です。旧約聖書といえば、「初めに、神が天と地を創造した」で始まり、この世界の創造について書かれた『創世記』が有名ですが、これはモーセという人によって書かれたものです。今回紹介するヨブ記は旧約聖書の18番目に出てくる書物ですが、書かれたのはモーセの時代より遥か前、アブラハムの時代であり、「聖書の中で最も古い書物」とされています。

聖書に書かれているエピソードは(あまり正確ではないですが、かいつまんで説明すると)どれも基本的に「主人公が神様を信じることで成功する話」です。そのため主人公たちは、「神様最高だぜ!」という風に、主である神を誉め讃える言葉をよく口にします。たとえば、旧約聖書の英雄ダビデは「主よ。御力のゆえに、あなたがあがめられますように。私たちは歌い、あなたの威力をほめ歌います。(詩篇21:13)」など、神様を賛美する多くの詩篇を残しており、預言者ダニエルは迫害の中、「夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに啓示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。(ダニエル書2:19)」と、神様に感謝をしています。

ところが、ヨブはそうではありません。「神様最高だぜ!」どころか、「神様ふざけんなよ!」と、むしろ嘆いているのです。「なぜ、私は、胎から出たとき、死ななかったのか。なぜ、私は、生まれ出たとき、息絶えなかったのか。(ヨブ記3:11)」とか、「私は全能者に語りかけ、神と論じ合ってみたい。(ヨブ記13:3)」とか、「私の手には暴虐がなく、私の祈りはきよい。(ヨブ記16:17)」と、とにかく主人公らしからぬ台詞がバンバン飛び出してきます。彼の友人たちの方が「だれか罪がないのに滅びた者があるか。どこに正しい人で絶たれた者があるか。(ヨブ記4:7)」「神は公義を曲げるだろうか。全能者は義を曲げるだろうか。(ヨブ記8:3)」と、主人公っぽいことを言っているのです。

「どうして神様は、罪を犯していない私を苦しめるのか」と言うヨブと、「公正な神様が、正しい人を罰することなんてしない」と言う友人たちの、口喧嘩にも似た討論が、ヨブ記の概略です。最終的にどうなるのかと言うと、クライマックスに神様自身が登場し、こう言うのです。

「あなたがた(友人たち)はわたし(神様)について真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかった(ヨブ記42:8)」

なんと、友人たちよりもヨブの方が正しい、と言うのです。「どういうこっちゃ」と疑問に思った人は、一度読んでみてはいかがでしょうか。


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