果実を潰して発酵させるとドロドロした成分が生まれてジャムになる、と思っていたことがあります。何の疑いもなく「ジャムは発酵食品」と考えていたのです。ある時『西の魔女が死んだ』という本を読んだら、果実を潰し、煮詰めてジャムを作る描写がありました。「発酵させないジャムもあるんだあ」と言ったら友人に「何をバカなことを言っているんだ」と呆れられてしまいました。
ジャムといえば、何もつけずに食パンを食べていたころ(参考『パン』)、同僚に「こないだジャム作ったので、持ってきましょうか?」とお裾分けしてもらったことがあります。僕の中でジャムは発酵食品であり、チーズとかヨーグルトみたいに湿度や温度が調整された倉みたいな場所が必要だと思っていたので、「自宅でジャムが作れるなんて、よっぽど裕福なんだなあ」と感心していました。
この手の勘違いが僕には多いです。昔はよくトリュフチョコを食べていて、「内側と外側で異なる食感を生み出す、まさに職人の結晶」といたく感動していました。どうやって作るのか、皆目見当がつきません。バレンタインで女子が手作りして持ってきているのを見て「さすがは女子」と思っていました。ある時、自分で作る機会があったので作ってみたのですが、カレーライスくらい簡単でした。
今でも得体の知れないものは多いです。たとえば、納豆についてくる「からし」。あれはもともと何でできているのでしょう。ホットドッグにかかっているマスタードは「西洋からし」と呼ばれていますが、あれとは明らかに味が異なります。名称は「とうがらし」に近いですが、あれの黄色い品種に水を含めたり練ったりしているのでしょうか。あまり食べる機会がないのでわかりません。納豆とおでんくらいじゃないでしょうか。僕は納豆もおでんもそのまま食べるため、データが不足しています。調べればわかるのでしょうが、「世の中に不思議な食べ物があるんだなあ」と思うに留まっています。