
この場合の「ビートルズみたいな」とは、セールス的な意味ではなく、技術的なことを指しています。いくつか挙げてみましょう。
○メンバー全員が作詞作曲できる
ビートルズの楽曲を制作した中心人物はジョン・レノンとポール・マッカートニーの2人ですが、ギターのジョージ・ハリスン、ドラムのリンゴ・スターもいくつか楽曲を作詞作曲しています。メンバー全員が作曲できるバンドはちらほらいますが、作詞はボーカル任せであったり、アルバムを埋めるためだけの「おまけ扱い」された楽曲であったりすることがほとんどです。全員が同じくらいの割合で作詞作曲し、売上を出すバンドが出てきても良いのではないでしょうか。
○メンバー全員が複数の楽器を扱える
ビートルズは「2ギター、1ベース、1ドラム」という楽器編成ですが、レコーディングではポールがピアノを弾いたり、ドラムを叩いたりしています。ジョージはシタールやタンブラといったインドの楽器も扱っています。なにより、彼らの最大の強みは「メンバー全員が歌える」という点です。メイン・ボーカルはもちろん、バック・コーラスもできるため、アレンジの幅が広がります。メンバー全員で楽器を持ち替えてライブをしても、遜色ないパフォーマンスができるバンドが出てきても良いのではないでしょうか。

○メンバー全員がアイドル顔負けのルックスを持っている
ビートルズのすごいところは、ミュージシャンとしてだけでなく、アイドルとしても人気だったことです。いくらメンバー全員が作詞作曲できて複数の楽器に長けたプロフェッショナルだったとしても、だらしない格好をした中年のおじさん、おばさんだったら売れるのは難しいでしょう。若く、顔立ちも整っていて、トークもできる。そんなマルチな才能を持ったバンドが出てきても良いのではないでしょうか。
ビートルズが解散してから半世紀が経とうとしています。そろそろビートルズを「50年に一度のバンド」にするような、とんでもないバンドが出てきても良いのではないでしょうか。