8ビート

エイトビート」と呼ばれる、8分音符を基調としたリズム・パターンの1つで、主にドラムセット演奏時に用いられます。他の楽器、たとえば、「ピアノで8ビートを演奏する」とは、あまり言いません。ポピュラーかつ、単純なリズム・パターンであるため、ドラム・レッスンの導入部に、必ず出てくるパターンです。僕が中学生のころは、音楽の授業で「ドラム」という項目があり、「8ビートが叩けるかどうか」が評価の対象になっていました。

演奏方法は、利き腕で8分音符を叩き、もう片方の手で、2拍目と4拍目に4分音符を叩きます。さらに、利き腕と同じ側の足で、1拍目と3拍目を叩きます。利き腕が右だと、以下のようになります。

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これを、前項の解説通り、「右手の8分音符+左手の2・4拍+右足の1・3拍」と考えてしまうと、手足をバラバラに動かしている状態になり、ぎこちない演奏になりがちです。動作は同じですが、「右手と右足、両手、その間を右手で埋める」と考えると、リズムが安定します。

前者は、右手、左手、右足が独立しており、意識が横に伸びている状態です。いっぽう、後者は、各楽器同士の繋がりを意識した「縦の揃った演奏」になります。

意識が横に伸びている状態



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縦を意識した演奏

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ドラムは、「手足をバラバラに動かすのが難しい」という印象を持たれやすい楽器です。しかし、実際は、「いかにバラバラに動かさないか」を意識することがポイントになります。8ビートはもちろん、変拍子やポリリズム、メトリック・モジュレーションなど、どんな高度なテクニックも、「どこに縦線があるか」を意識できれば、身体は動きます。

ちなみに、「8ビート」という言葉は、和製英語です。海外では、全く通じません(正確には、まったく別の意味になります)。英語では、「8th note feel(8分音符のノリ)」や「Rock feel(ロックのノリ)」と言うのが一般的です。これは、「16ビート」や「4ビート」なども同様で、「音符名+フィール」、あるいは、「数字+フィール」がパターン名となるので、注意しましょう。

さらにちなむと、拍子記号は、分子→分母の順に読みます。たとえば、「8分の6拍子」は、日本では「ハチロク」なんて言ったりしますが、英語圏ではその逆の、「Six-eight」と言います。これは、分数コードや2拍3連なども同様です。C分のD♭コード(Db/C)は、「D flat over C」、2拍3連は、「Three over two」となります。「キメ」は「Break」、「ハネ」は「Bounce」です。これだけわかっていれば、英語が喋れなくても、英語圏でドラムは演奏できますし、大学も卒業できるでしょう。

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