3,000ユーロ盗まれて警察へ行った話


前回(『アイルランドで3,000ユーロ盗まれた話』)の続きです。銀行で残高証明を発行したところ、振り込んだ3,000ユーロがすべて無くなっていることが発覚しました。明細を確認すると、ATMを使って数回に分けて引き落とされていたことが判明します。つまり、誰かが僕のバンク・カードを使い、口座から3,000ユーロを引き落としていたのです。

それを銀行員に伝えると、0ユーロの残高証明と「この人のお金盗まれました証明」みたいな書類を渡され、「近くの交番へ行け」と言われました。幸い、銀行から歩いてすぐのところに交番があり、これが僕の交番デビューとなりました。ショックで頭真っ白のまま「マイ・マニー・ワズ・ストーレン・フロム・マイ・バンク(銀行のお金が盗まれた)」と説明します。特に「バンク」の部分を強調して「スリちゃうから! よくある観光客のミスみたいなのじゃないから!」と力説すると、「ここ(交番)じゃ扱えない事件だから、本庁へ行け」と言われました。

交番から30分ほど歩いて、本庁に到着しました。窓口で再度事情を説明すると、取調室らしき個室へ通された後、調書を取らされました。僕の英語がつたないせいか、担当の警官は終始ぴりぴりした様子で「これは重い事件なんだぞ。わかっているのか?」と語気を強め、何も悪いことはしていないはずなのに犯人になった気分を味わいました。

どうしてこんな事態になったかというと、僕のバンク・カードが別の家に配達されてしまったのが原因でした。日本ならこういった重要書類は本人限定受取で郵送されますが、アイルランドの場合はそのままポストに投函されます。しかも、バンク・カードと一緒に暗唱番号も同封されているため、誤配されたが最後、誰でも使えてしまうのです。今回の事件は、バンク・カードが誤配されたうえ、誤配先の住人がろくでもない人物だったという、2つの不運が重なったことによって引き起こされた悲劇だったのです。



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結論を言うと、3,000ユーロは返ってきました。詳細は訊いていませんが、ATMの取引履歴が残っていたので、監視カメラか何かで犯人を割り出したのでしょう。銀行のお偉いさんからは謝罪の手紙が送られてきました。ビザに関しても、警察からもらった盗難届を見せて期日を3ヶ月延長してもらい、後日改めて学生ビザを取得することができました。万事丸く収まったのです。

これらはすべて、入国して1ヶ月以内に起きた出来事です。その後、2年間滞在しましたが、これほどインパクトの大きな出来事はありませんでした。最初からクライマックスだったわけです。

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