3点セットが多すぎる

「3点セット」とはドラム・セットに用いられる言葉で、主に2つの意味があります。1つは「ハイハット、スネア、バスドラムの3つを指したもの」、もう1つは「タム、フロアタム、バスドラムが1つずつあるセッティングの名称」のことでで、今回取りあげるのは後者です。タムが12-14インチ、フロアタムが14-16インチ、バスドラムが18-24インチといった具合に、ジャンルによって口径の違いが出ることはあるものの、基本的なセッティングは一緒です。ちなみに、ロック系なら大きい口径、ジャズ系なら小さい口径が好まれる傾向にあります。また、最近流行している「ジャングル・キット」も、口径はかなり小さいですが、3点セットである場合がほとんどです。

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スタジオやライブハウスに常設されているドラム・セットは、もう1つタムを加えた「4点セット」であることが多いです。3点セットを好むドラマーは、わざわざタムを1つ外してセッティングするわけですが、これには理由があります。1つは、ライドがセッティングしやすいこと。4点セットにおけるライドの位置はタム2の横であり、そうするとドラマーとライドの間に距離が生まれ、ライドを叩く際に少し腕が伸びた状態になってしまいます。下図のようにタム2と被せるようにセッティングさせると、タム2が叩き辛くなってしまい、さらにタム2よりも上にセッティングさせなければならないため、必然的に高い位置になってしまうのです。

3点セットの場合は、タム2がない分スペースがあり、よりドラマー側に近くセッティングできます。また、障害物がないため低くセッティングできますし、水平にしても楽な姿勢で叩けます。



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もう1つ理由があって、過去に活躍したいわゆる「偉大なドラマー」が3点セットを使っている場合です。ジャズ・ドラマーの90パーセントくらいは3点セットを使っていますが、彼らの場合、好きで3点セットを使っているというより、そもそもタムを2つセッティングできるほどドラム・セットに強度がない時代だった、と言えます。4点セットがなかったわけではありませんが、今のように一般的になったのは、タムを水平にセッティングできるレベルまでシェル(胴体)やパーツが改良されてからです。

この3点セットは根強い人気を持っていて、僕の周りだと、だいたい3人に2人くらいの割合で3点セットを使っています。ただ、「3点セットじゃないと演奏できない」となってしまうと具合が悪いので注意しましょう。

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