食事制限に学ぶ、楽器演奏を上達させる秘訣

僕の食事は、パンや米などの炭水化物が大半を占めていました。手間がかからない上に安上がり、これほど素晴らしいことはないと思っていたのですが、妻いわく「炭水化物ばかり食べていると、歳をとってから病気して医療費が高くつく」だそうです。なるほどそうなのか、ということで、指摘されたその日から現時点まで、いわゆる「糖質制限」を続けています。夜、寝る前は特にお腹が空いているのですが、なにぶん、空腹状態が続くことに慣れているので、思ったよりも苦になっておりません。(参考『エクストリーム食生活』)

一時期は一食に2合の米を平らげていたこともあった僕がこうも簡単に糖質制限できた理由は、食に興味がないからです。好きな食べ物はあっても「食べたい」という欲求が著しく弱く、空腹時も「何か食べたい」より「食べなくても良い」という思いがまさっています。また、妻が突然「炭水化物ばかり食べてくれると家計が助かる」みたいなことを言ったとしても、即座に以前の食生活に戻れるでしょう。食に対して「こうしたい、こうありたい」というこだわりがないのです。

この「こだわりのなさ」が楽器演奏にも必要です。「自分の演奏には絶対にこの器材が必要だ」とか「自分はこのバンドの曲以外、演奏する気はない」、「自分のやり方を貫いて演奏する」というこだわりは、浸っている時は心地良いかもしれません。しかし、時間が経つと「ミスを器材やスタッフのせいにする病」や「今さら新しいことにチャレンジできない病」、「周囲のリクエストに応えられない病」といった重大な病を引き起こすかもしれません。



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そもそも「こだわり」は、今でこそ「特別に思いやること」という意味がありますが、もとは「比較的どうでもいいことに強く執着すること」「ちょっとしたことにつまずいて気持ちが取られること」というネガティブな言葉です。「自分はこうしたい」という強い欲求は、直線を最高速で駆け抜ける推進力になると同時に、カーブでのアクシンデントや、減速する痛みを引き起こす原因にもなり得るわけです。

僕は比較的ドラムに執着しないドラマーですが、それでも音楽が好きなゆえに「こうしたい」という思いが歪んで「こうしなければならない」という固執(つまり、こだわり)に変わっている部分があります。ドラムを始めたてのころは、この推進力だけでがむしゃらに走ってきましたが、もう少し気づきが早く、器用に方向転換できていれば、もっと上手くなっていたでしょう。もっとも、今気がついたので、まだこれから上手くなる余地が残っているということです。プレイも身体も引き締まっていたいものです。

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