英語ができなくても海外大学を卒業する方法

ニューパーク音楽大学」という音楽大学がアイルランドにあります。アイルランドは英語圏で、講義も試験も全て英語ですが、僕は英語ができないのにも関わらずこの大学を卒業しています(参考『ニューパーク音楽大学を選んだ理由』)。入学前に現地の語学学校で勉強したのですが、いざ大学に入ると全く通じませんでしたし、留学生の多い大学なので講師は丁寧な英語を使ってくれていたらしいのですが、それでも何を言っているのかさっぱりわからなかったのです

この話をすると、大抵の人が「英語ができないと言って謙遜している」と誤解します。どうやら「英語ができないのに海外の大学を卒業できるわけがない」と考えている方が多いようです。たしかに、英語のスキルが完全にゼロでは無理かもしれませんが、海外留学の壁は日本人が思っているほど高くありません。一番の壁は時間と資金でしょう。この2つに比べたら、言語の壁は問題になりません

英語ができないのにどうやって卒業したか説明する前に、僕の言う「英語ができない」がどの程度か定義しておきましょう。まず、僕は義務教育中(中学の3年間)、まったく英語を勉強しませんでした。高校を卒業してから独学で勉強し始めましたが、中学2年生レベルがギリギリわかるくらいで、中学3年レベル(現在完了や過去分詞)になると知識として覚えているだけで活用できません。スピーキングは知っている単語(つまり中学2年レベル)を並べる程度、リスニングに至っては全くと言っていいほどわかっていません。よって、「平均点な中学2年生男子の英語力」と思ってください。

○英語を必要としない部分でポイントを稼ぐ

音楽の演奏には英語が不要です。講師の言っていることが理解できなくても、講師が演奏している内容は理解できます。試験に出るのは講義でやっていることだけなので、基本的には真似だけしていれば合格できます。「こういうのはどうだろう」とアイディアが思い浮かべば、実際演奏して見せて、反応を見ます。言葉がわからなくても、表情や声色で良いか悪いかは判断できます。これは音大ならではの利点ですが、他の分野でも英語を必要としないポイントがあるはずです。まずはそれを確実に射止めましょう。



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○前もって空気を読む

これは以前にも書いたことがあります(参考『英語に慣れる、ということ』)。たとえば、西洋音楽史の講義で因数分解について講義することはありません。当たり前ですが、西洋音楽史で教えるのは西洋音楽、つまり、クラシック音楽の歴史についてです。そこまでわかっていれば、あとは日本語で予習しておきます。講義中はホワイトボードに書かれていることを写し、かつ、何度も繰り返している単語をチェックしておきます。帰ってから辞書などを使って復習し、次回の予習をする、この繰り返しです。

中学英語だけでも論文は書ける

僕が大学生活で最も不安だったのが、論文の提出でした。なんせ日本の中学レベルの英語です。「日本の英語教育は遅れている」と聞かされていたので、論文なんて書けるわけがないと思っていました。ところが、いざ論文を書いて提出すると、単位を落とすどころか高評価だったのです。実は語学学校へ通っていた頃から薄々気付いていたのですが、ライティング、リーディングに関して日本の英語教育はかなり優秀です。僕は独学だったので論文制作に時間がかかりましたが、普通に中学3年間勉強した人だったら楽勝なのではないでしょうか。

英語を理由に海外留学を思いあぐねている人は、ひとまず中学英語を勉強してみてはいかがでしょうか。あとは時間と資金さえあれば卒業できます(参考『海外留学に必要なもの』)。ただ、僕は大学内でも有名な「英語できないキャラ」だったため、大学側が見逃してくれた感は否めません。特異な例だった可能性がある、ということを最後に注釈しておきます。

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