篠原涼子は「恋しさ」「せつなさ」「心強さ」「いつも感じているあなた」の4方向へ向かって何をするのか

恋しさとせつなさと心強さと』は、某有名格闘ゲームがアニメ映画化した際の主題歌で、篠原涼子の代表曲です。当時流行していた小室哲哉が作詞作曲、プロデュースし、CDは200万枚以上売れた作品です。「恋しさ」と書いて「いとしさ」と読むのがポイントです。「切なさ」ではなく「せつなさ」とひらがな表記であることも注意しましょう。

この楽曲の歌い出しは、タイトルにもなっている「恋しさとせつなさと心強さと」なのですが、後に続く言葉は「いつも感じている あなたへと向って」となっています。最初は「私、篠原涼子は、いつも恋しさ、せつなさ、および心強さを感じているあなたの方へ近づいている」という意味だと思っていたのですが、それなら「(私、篠原涼子は)恋しさとせつなさと心強さいつも感じているあなたへと向って」になるはずです。

省略されている主語が所有格(私の)の場合は「(私、篠原涼子の)恋しさとせつなさと心強さ(私が)いつも感じているあなたへと向って」です。「心強さ」という接続詞を使っている以上、「恋しさ」「せつなさ」「心強さ」「いつも感じているあなた」の関係は並列でなければ文法的に成り立たないのです。よって、篠原涼子のベクトルは4方向へ伸びていることがわかります。



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そうは言っても、篠原涼子はこの世界でたった1人、オンリー・ワンの存在です。4方向へ同時に向かうためには、目標(この場合、恋しさとせつなさと心強さといつも感じているあなた)が直線上に配置されているか、目標同士が同居していなければなりません。「恋しさ」「せつなさ」「心強さ」はそれぞれ「恋し(い)」「せつな(い)」「心強(い)」という形容詞に接尾語「さ」をつけて体言化した感情です。一般的に感情は人間を含む動物が抱くものなので、これらは「いつも感じているあなた」と同居していると考えるのが自然です。つまり、表現は違えど意味は冒頭に書いた「心強さ」と同じになります。

では、篠原涼子は「(恋しさ、せつなさ、心強さを持った)あなた」へ向かってどうするのでしょうか。答えは至極シンプルで、続く歌詞で「見つめていたいよ」とあります。 えらく遠回しに、奥ゆかしく表現するのが芸術です。なお、2番の歌詞は「信じていたいよ」です。「見ずに信じる者は幸いである」という聖書箇所(ヨハネ20:29)を思い出しました。

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