目が悪いと耳は良くなるのか

「人間は、視覚が失われると聴覚が発達する」という話を聞いたことがあります。目が見えなくなると耳が聞こえやすくなる、という理論です。実際に「盲目のミュージシャン」は存在します。一番有名なのは、スティーヴィ・ワンダーでしょうか。たしかに、視覚で情報が得られない分を聴覚によって補おうとする、というのはありえない話ではないでしょう。

しかし、少々視力が悪いくらいで聴力が鍛えられるかどうかは怪しいところです。もし視界を奪われることで聴く能力が向上するなら、目をつむったり、サングラスをかけたりするミュージシャンが過半数を占めているはずです。百歩譲って耳が良くなったとしても、譜面が読めないこと演奏中に周囲の状況が把握できないことはハンディキャップになるでしょう。

それに、耳が良くなったからスティーヴィのように音楽的に成功するかと言えば、それは全く別の話です。耳が聞こえずとも、200年近く支持され続けている偉大な作曲家だっています。スティーヴィだったら全盲でなくとも成功していたでしょう。耳の良さと音楽の良さはイコールではありません



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似たようなことが「絶対音感」にも言えます。正確なピッチを即座に判断できるため、譜面を作ったり、楽曲分析したり、平凡なミュージシャンに比べて楽に済ませられる仕事は多いでしょう。でも、それだけです。あれば便利な機能ですが、重要ではありません。優れた能力を持っていたとしても、上手く使わなければ宝の持ち腐れ、ティモにエスクードです(参考『昇竜拳が出せないし、ブレーキが踏めない』)。

なお、僕は相当に近眼ですが、普段はコンタクト・レンズをつけています。プロフィール画像でかけている黒縁メガネは300円均一で買った伊達メガネで、「講師っぽい、知的で頭の良い印象を相手に与える」というのが狙いです。それを妻に話したら「その考え自体がもう馬鹿っぽい」と言われました。

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