楽器の壁

僕が初めて手にしたポピュラー楽器は、アコースティック・ギターで、最初の壁は「Fコードが押さえられない」でした。Fコードは頑張れば誤魔化せますが、次のBコードで「あ、ごめん、ギター無理と諦めてしまいました。正直、今でも、バレーコード(人差し指全体を使うコード)は、上手く押えられません。エレキベースは、「弦が太くて鳴らない」、ピアノは「メロディとコードを同時に演奏できない」、管楽器にいたっては「音が出ない」というのが最初の壁で、今でもその壁を乗り越えられずにいます。

ドラムの時は、「8ビートが叩けない」が最初の壁だったと思います。ただ、これは、他の楽器に比べると乗り越えやすく、3カ月ほどで叩けるようになりました。勘の良い人なら、1日もかからないでしょう。練習のやり方が間違っていたのかもしれませんが、相当なリズム音痴であったのも事実です。

最初の壁を乗り越え、楽器にも慣れてきたころになると、次の壁は「速い演奏ができない」といったテンポの問題であることが多いのですが、僕は「運動神経悪い自分には、筋力的にまず無理」と、はなから諦めていました。また、「2拍3連が叩けない」も大きな壁でした。「2拍の間を、等間隔に3つ叩く」「3連符から片手を抜いた形」という、理論的なことは頭で理解できていても、感覚的にまったく理解できなかったのです。頑張って耳で覚えようとしたこともありますが、今度は付点8分と混同してしまいます。結局、これも専門学校に通うまで、実に7年もの間叩けませんでした



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人によっては、アップ・テンポも2拍3連も、難なくできるかもしれません。高校の頃は、ドラム始めたてということもあって、周りとのレベルの差に、一番やきもきしていた時期でした。ただ、その時に「自分も今すぐできるようにならなければ!」という風に考えていたら、僕のドラムは中途半端になっていたと思います。「うちはうち、よそはよそ」「10年後には勝つ」という気持ちで壁に取り組んだため、時間はかかったものの、確実にクリアできたわけです。競うスピードよりも重要なのは着地、ということです。

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